まいにち猫弁。

べすこ

第1話 素麺ロコモコ

【登場キャラ】


猫さん(店主):元サラリーマンの料理猫。寡黙だが腕は神級。語尾に「にゃ」はつけない。


ベス(助手):元・料理壊滅系の黒ラブ犬女子。卵焼きだけ異常にうまい。


リスのマナちゃん(保育園児):町田リス園の園児。食いしん坊。


カピバラのハカセ:忠生公園の常連。哲学的なことを言うが、全部脱線する。


ハトのサブちゃん:町田駅前仲見世商店街の「半分居つき」おじさんハト。口癖は「それな」。






【朝の猫屋(忠生の小さなお弁当屋)】

猫さん:「…………今日は、暑いな」

ベス:「うん、もう5時なのにこの湿気……ねえ猫さん、冷たいメニューにしようよ」

猫さん:「…………(黙って冷蔵庫を開ける)」

ベス:「わー、素麺じゃん! 素麺ってことはアレやるの? ロコモコ風素麺!」

猫さん:「…………思いつきで名付けたやつ、覚えてたのか」




【調理中】

ベス:「じゃあ私は目玉焼き係ね! あと、盛りつけも任せて!」

猫さん:「……温泉卵のが合うんじゃ……」

ベス:「固めの目玉焼きがいいんだよ〜。だってロコモコだし!」

(ジュウウウウウウ……)

ベス:「あっ、焦げた!」

猫さん:「……学ばないな」





【忠生公園〜町田リス園】

ベス:「猫さん、マナちゃんたちのリス園ピクニックって今日でしょ? 行ってくるねー!」

猫さん:「……焦げてない方、持ってけ」

ベス:「うぇっ!? 焦げたの私が食べるやつかぁ〜」


(場面転換:忠生公園入口。朝のジョギング帰りの町田総合高校生とすれ違う)

マナちゃん:「ベスせんせー! おべんとうー!」

ベス:「はいはい、お待ちどうさま! 今日のは“ロコモコ風冷やし素麺”だよ!」

マナちゃん:「ロコモコってなにー?」

ベス:「ごはんの上にハンバーグとか卵とかのっけた、アメリカンなやつだけど……素麺の上にのせちゃいました!」

マナちゃん:「わー! つめたくておいしい!」





【カピバラのハカセ登場】

ハカセ:「ふむ、素麺にロコモコとは……文明の融合じゃな」

ベス:「カピバラのハカセさん……また変なこと言いにきた?」

ハカセ:「ワシはただ、この弁当が夏の風と土の香りを閉じ込めたようだと言いたいだけじゃ」

ベス:「わかるようで、わからない!」


(仲見世商店街から飛んできたハトのサブちゃんが割り込む)

サブちゃん:「それな。それ、俺も食いてえ」

ベス:「あんた電車賃も払えないくせに」

サブちゃん:「……それな」





【日が暮れるころ・猫屋】

ベス:「マナちゃんたち、めちゃくちゃ喜んでたよ〜! マヨネーズかけて食べてた子もいた!」

猫さん:「……あのロコモコ素麺に、マヨ……?」

ベス:「案外ありかもよ? 今度やってみる?」

猫さん:「……却下だ」

ベス:「えー!」

(その横で、焦げた目玉焼きが乗った素麺を猫さんがモソモソ食べている)

猫さん:「……味は悪くない」

ベス:「でしょ!?」

猫さん:「……ただし、火災レベルの香ばしさ」

ベス:「うるさーい!」





【本日のメニュー】

☆冷やし素麺ロコモコ弁当☆

冷たい素麺の上に、照り焼き風ハンバーグ

シャキシャキレタス、温玉 or 目玉焼きトッピング

レタスとごま、特製ポン酢だれ

デザート:ミニ寒天ゼリー付き



エピローグ


「町田・忠生の小さなお弁当屋『猫屋』には、

今日もひとつ、笑顔が増えたようです。」

(芹が谷公園からの夕風が、店先の暖簾をやさしく揺らした)








つづく

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