第6章「第二試練:選別の館」
5人いたチームは、2人になった。
榊 翼——冷徹な判断で生き残った元自衛官。
そして俺、天城 悠人(あまぎ ゆうと)。奇跡的に生き延びたただの一般人。
ドームが再び揺れる。
足元に現れた転送装置に吸い込まれるようにして、俺たちは次の試練の場へと移された。
辿り着いたのは、不気味な洋館。
古びた家具、血のように赤いカーペット、そして壁一面に並ぶ“監視カメラ”。
「次の試練は“情報と暴露”。この館には10人が入っている。その中に1人、“裏切り者”がいる。そいつを見つけ出せ。制限時間は1時間。失敗すれば、全員死亡」
館内には、別の生存者たちの姿。
・仁科 レオ(にしな れお):笑顔の裏に何かを隠す大学生。
・神崎 柚葉(かんざき ゆずは):無表情な眼鏡の女子高生。推理力が異常に高い。
・三上 勇斗(みかみ ゆうと):元暴走族。腕っぷしは強いが感情的。
・七海 紗良(ななみ さら):冷静沈着な元裁判官。
——他、名前すら名乗らない人物もいた。
空気は重く、沈黙が続く。
「一人だけ、ウソをついている……」
柚葉がつぶやいた。
「じゃあ、全員が“他人の言葉を疑う”時間の始まりだな」と、榊が冷たく笑った。
時計の針は、無情に進む。
この中に“嘘つき”がいる。だが、それは“嘘”だけじゃない——
何か、もっと大きな“陰謀”の匂いが、していた。
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