魔法少女爆誕??③

 コウの不意打ちを食らった“大蛇”は頭をもんどり打たせ、鎌首をくねらせた。

 その辺りがボコン!と膨らんでいるので涼眞りょうまはまだ“そこ”にとどまっている様だ。


 でも、どうしよう??!!


『大丈夫!』


 墨汁を落とした様な空に、鈴を思わせる凛とした声がこだました。

 それと同時にサファイア色に輝く三角の光が、空を黒く塗り潰している雲を割り、コマや手裏剣の如く回転しながら次々と飛んで来て“大蛇”の頭を縦切りにした。


 地響きを立てて地面に崩れ落ちた“大蛇”の頭は、まるで割れたザクロの様で……何かにベッタリと濡れた涼眞は“ザクロの中身”から転がり落ちた。


「涼眞!!」


 コウは夢中で涼眞を抱きかかえ、割れた“大蛇”から引き離した。


「意識がない!!」


 涼眞の剣道着の襟を握り締めているコウの手が震える。


「息、してるの?!」


 顔を近付けると頬に微かな息遣いを感じる。


「生きてる!!」


 安堵で思わず涙を零すコウに“鈴の音の声”が語り掛ける。


よ! ありがとう! あなたは魔法を救ってくれた」


 声がさっきよりずっと近くに聞こえ来てコウは思わず後ろを振り返る。


 そこには、ちょうど見開いた文庫本が羽ばたくくらいの大きさのサファイア色の羽を持つ美しい蝶が居て……コウの目の前をヒラヒラと舞っていた。

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