ツイているだけのボクサー

稲佐オサム

【第1章:ボコられて、なぜか勝った】

「おらぁああああっ!また来やがったな、運だけ野郎!!」


パンッッ!!パァンッッ!!!


公園の真ん中で、今日も僕――**根岸ハルオ(17)**は、

地元の不良3人組にボコボコにされていた。


「いてて…あれ?右の奥歯、今どっかいった?」

「お前、自分の歯どこ行ったか分かんねぇのかよ!?」


しかしその瞬間、事件は起きた。


僕の倒れた拍子に転がった空き缶が、

地面に落ちてたサンドバッグの金具にぶつかり、

金具が外れ、真上の木に引っかかっていた蜂の巣が落下。

そのまま、不良たちの顔面に直撃――。


「ぎゃあああああ!蜂!蜂ぇぇぇぇ!!!」

「…また勝ったのか、俺」


完全に運だけで勝利。

いや、むしろただの事故。

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