第13話 ホルモンと魔動車
しばらくは普通に過ごしていたナギサ。
まぁ、夜はアンナによる激しい夜伽はあるんだが……
(ナギサ)
うーん、"ホルモン"って無いのかな?
(クラン王国王都クラン ギルド職員 アンナ:女)
"ホルモン"?何それ?
(ナギサ)
動物の内臓だよ。
魔物なら、ロックボア、ファイアベア、サーペントウルフあたりを狙ってんだけど。
(王都ギルド職員 アンナ)
はぁ?そんなゴミ、食べるの?
(ナギサ)
やっぱそうなるか……
まぁ、今度獲ってくる。
ただし、新鮮である事、念入りな下処理がいるけどね。
でないと食べれたもんじゃない。
(王都ギルド職員 アンナ)
ほらぁ〜、ゴミじゃん。
(ナギサ)
そういうわけでもないんだけど、美味しいよ?多分。
また、ゴミと言われてた時代もあるからね。
捨てることをある地方の言葉で"ほる"と言うんだ。
だから"捨てる物"から"ホルモン"と名前が付いたっていう説もあるんだ。
(王都ギルド職員 アンナ)
へぇ〜、面白いね。
ちょっと興味わいてきたかも。
翌日、ナギサは1頭づつ狩ってきた。
"ストレージ"で運んできたから鮮度はそのままだ。
ギルドの裏にある解体場に持っていく。
(ナギサ)
悪いけど、これ捌いてくれる?
内臓もいるから。
(ギルド職員:男装)
内臓も、か?
(ナギサ)
うん、食べれるかもしれない。
(ギルド職員:男装)
は?
(ナギサ)
食べられたら美味しいよ。
(ギルド職員:男装)
はぁ……そうなんだ……
内臓を取り出してもらう。
(ナギサ)
【鑑定】
やっぱり。
(王都ギルド職員 アンナ)
やっぱりって?
(ナギサ)
食べられるところがある。
えーっと、ここからここ。
それとこの部分。
ここもだね。
うーん、これもか。
(ギルド職員:男装)
こんなもんが食えるのか?
(ナギサ)
うん。
ただし、念入りな下処理がいる。
手を抜いたら食べれたもんじゃない。
(王都ギルド職員 アンナ)
料理長、呼んでくるね。
アンナは料理長を呼びに行った。
(料理長:男装)
なんだ?こんなゴミ、どうすんだ?
(ナギサ)
食べるんだよ。
念入りな下処理したら食べられる、美味しいはず。
(料理長:男装)
おいおい、ゲテモノだな(ため息)
ナギサの説明を聞きながら、下処理をしていく料理長。
(料理長:男装)
こりゃ大変だな。
(ナギサ)
その分、感動するかも。
ソースある?
(料理長:男装)
いつもので良いならな、取ってきてくれ。
(王都ギルド職員 アンナ)
じゃ、行ってくる。
アンナはいつものソースを取りに行った。
(料理長:男装)
終わったぞ、どうすんだ?
(ナギサ)
まずは焼こう。
バーベキューセットをポチり、セットする。
(料理長:男装)
準備良いなぁ、そんなに期待してたのか?
(ナギサ)
もちろん。
網の上でホルモンを焼くナギサ。
(料理長:男装)
ん?良い匂いだ、これは意外かもな。
ナギサは焼き上がったところでタレをしっかり塗った。
(ギルド職員:男装)
なんか美味そうだな。
(ナギサ)
できたよ、食べてみて。
(料理長:男装)
あゝ。
料理長が食べてみる。
(料理長:男装)
なんだこれ、美味ぇ〜じゃねぇ〜か!
(ナギサ)
でしょ?
(料理長:男装)
しかし、場所によって違うな、面白い。
(ナギサ)
鍋にしたり、野菜と炒めたり、米の上に乗せて食べたり。
(料理長:男装)
パンでもイケるな、挟んでも良い。
酒のアテにもピッタリだ。
(ナギサ)
あれだけ念入りに下処理したら食べられるんだ。
後、新鮮じゃないとダメ。
(料理長:男装)
鮮度が命か、なるほどな。
(ナギサ)
"ストレージ"を持ってるボクなら持ってこれる。
(料理長:男装)
良いねぇ〜、これ、新メニューに加えるか!
(ナギサ)
大好きなんだ、ボク。
(料理長:男装)
あのアレか、異世界の。
(ナギサ)
そう。
名前は全部混ぜるなら"ホルモン"。
由来は、方言で捨てるを"ほる"と言う地域があり、"捨てるもん"から"ホルモン"って言うようになったっていう説があるんだ。
(料理長:男装)
ほぅ、なかなか面白い、"ホルモン"か。
(ナギサ)
もうちょっと分けて使うなら、心臓は"ハツ"、肝臓は"レバー"、その他は"モツ"で良いかも。
全部ごちゃ混ぜで"ホルモン"。
(料理長:男装)
分ける意味あるのか?
(ナギサ)
野菜と"レバー"の炒め物を"レバー炒め"って言ったり、"モツ"だけで鍋をして"モツ鍋"っていうのもあった。
まぁ、別に"ホルモン"でやっても問題ないけど。
(料理長:男装)
なるほどな、気取るならそれだけ集める。
別に美味けりゃ良いなら"ホルモン"で充分だな。
(ナギサ)
じゃ、"ホルモン炒め"作ろうよ。
(料理長:男装)
任せろ。
"ホルモン炒め"を作った料理長。
(料理長:男装)
こりゃまた美味いな、パンに挟めは最高だ。
(ナギサ)
ボクは米の上に乗せる。
そういう料理を"丼"って言うんだ。
タレも米に染みて美味しいよ、ボクの好物。
(料理長:男装)
だろうな、これは合うわ。
で、その"丼"ってのは他にもあるのか?
(ナギサ)
あるよ。
そういう風に盛り付けたのを"丼"って言うから、なんでも良いんだ。
ボア肉のステーキ乗せたら、"ステーキ丼"とか"ボア肉のステーキ丼"って名付けたら良いんだ。
(料理長:男装)
面白いな、早速メニューに加えるか。
(ナギサ)
ボク、"ホルモン丼"が良い。
(料理長:男装)
分かった、任せな。
(冒険者:男装)
しかし、手間は要るとはいえ、こんな美味いのを捨ててたのか、もったいない。
(ナギサ)
でも、なんでも大丈夫かは分からないから、とりあえずロックボアとファイアベア、サーペントウルフは大丈夫だったって感じ。
コカトリスの肝臓なんかも狙っている。
別に鳥なら何でも良いけど。
(料理長:男装)
コカトリスは怖ぇ〜な、毒あるしな。
(ナギサ)
そうだよね、他居るかな。
(王都ギルド職員 アンナ)
ネキリドリは?
あれ、元々食用だし。
(ナギサ)
ワンチャンありそうやね。
(王都ギルド職員 アンナ)
じゃあ待ってて、買ってくる。
そう言うと、アンナはネキリドリを買ってきた。
(ギルド職員:男装)
やるか(ニヤッ)
手際よく捌いていく男装ギルド職員。
(ナギサ)
よし!
【鑑定】
大丈夫だね、肝臓。
後、この胃の一部も大丈夫。
軟骨も首の肉も大丈夫だね。
(料理長:男装)
は?そんな所も食えるのか?
(ナギサ)
うん、焼き鳥にしてみよう。
肝臓は煮込みにしても良いよ。
(料理長:男装)
なるほどな。
では焼くか。
(ナギサ)
塩でもイケるしタレも美味しいよ。
(料理長:男装)
両方やろう。
焼き鳥試食会が始まった。
(料理長:男装)
軟膏は塩が美味いな。
コリコリした歯応えが面白い。
(王都ギルド職員 アンナ)
この胃も美味しい、これは塩ね。
(ギルド職員:男装)
首も美味いな、こんなに食べるところがあるのか!
(料理長:男装)
骨は出汁には使っていたが、食えるとは思わなかったな。
(ナギサ)
こんな細かい骨は、噛めるなら"骨煎餅"って言って、おやつやアテにできるよ。
カラッとしっかり揚げたら良いんだ。
でも、噛み砕けるぐらいの骨だけだけど。
(料理長:男装)
そりゃそうだ、歯が折れる(笑)
ちょっと揚げてくるわ。
食べれそうな小骨を持って、揚げに行った料理長。
(料理長:男装)
できたぞ。
これは何だ?
(ナギサ)
塩、タレ、酸味の効いた果汁、お好みで。
(料理長:男装)
よし、全部やるか!
バリバリ食べてみる。
(料理長:男装)
ホントおやつだな、子供にも良さそうだ。
(王都ギルド職員 アンナ)
アテにもピッタリよね。
(ギルド職員:男装)
そうだな、これは酒だ。
(ナギサ)
香辛料が安ければ、ピリ辛にすればアテにピッタリだと思う。
ただ高いからなぁ……
(料理長:男装)
それな、辛味があれは、より酒に合う。
代用できんか考えてみるわ。
思わぬ事から新メニューが誕生した。
"ホルモン"は最初はゴミと言われたりしたが、試食したら即注文が入った。
ナギサはギルド食堂に"ホルモン"を卸す為に討伐もやった。
酒に合うと"ホルモン"も"骨煎餅"も大人気になり、なんだかんだで毎日3頭ほど狩る事になったナギサだった。
(王都ギルド職員 アンナ)
ナギサちゃん、何にする?
(ナギサ)
"ホルモン丼"!
(王都ギルド職員 アンナ)
そんなに好きなの?ここんとこ毎日ね。
(ナギサ)
うん、"ホルモン"あって良かった(嬉)
嬉しそうに"ホルモン丼"を食べるナギサをアンナは温かい目で見ていた。
数日してギルマスから呼ばれたナギサ。
(ナギサ)
どうしたんです?ギルマス。
(クラン王国王都クラン ギルドマスター ミレンナ:男装)
おお、来たか。
例の"ホルモン"な、ラミング商会でも扱いたいって要望があってな。
(ナギサ)
良いですけど、そんなに狩って大丈夫ですか?
それにギルドの食堂にしわ寄せがないか心配ですが。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
それなんだがな、ギルド食堂に押し掛けられても困る。
しかし、"ホルモン"の噂はもう出てんだ。
そこでラミング商会が扱って、数量限定で出そうとなったんだ。
扱える冒険者は希少な"ストレージ持ち"と公表して、その"ストレージ持ち"しか運んでこれないという事でな。
事実、"ストレージ持ち"でないと扱えねぇ〜、そろそろバレてるだろうから、この際公表するかってな。
ただ誰とは言わねぇ〜、ギルド専属と公表してな。
ギルド専属なら手は出せねぇ〜、っうか、お前、王都ギルド専属だろ?問題ない。
(ナギサ)
問題ないなら良いよ。
で、必要な量は?
(王都ギルドマスター ミレンナ)
ネキリドリは間に合ってる。
それ以外を20頭づつラミング商会に卸して欲しいんだが。
(ナギサ)
可能だけど、毎日そんなに狩って大丈夫?
絶滅したら手に入らなくなるよ?
毎日20頭づつって、かなりの量になるけど?
(王都ギルドマスター ミレンナ)
ま、毎日……いや、そんなに狩らなくて良い。
1週間分だ、大体の目安でそれぐらいって事だ。
種類は問わないってさ。
(ナギサ)
となると、1日3頭……また極端に少なくなるね。
食堂に各種1頭、計3頭、毎日届けてるよ?
(王都ギルドマスター ミレンナ)
なっ……それは……少ねぇ〜な……どう計算してんだ?
まぁ、先方からの依頼はそれだ。
足りないなら追加がくるだろう。
商人もバカじゃねぇ〜、狩り尽くしたらどうなるか分かってる。
自分達の商売に関わるからな。
(ナギサ)
ならギルドと同じ、各種1頭づつで良いかな?
それとも揃えた方が扱いやすい?
(王都ギルドマスター ミレンナ)
それは確認しとこう、出来るならどっちが良いんだってな。
(ナギサ)
分かった。
とりあえず今日のギルド分を狩ってくる。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
あゝ、頼んだ。
ナギサは本日分を狩りに行った。
サクッと狩ってギルドに戻ってきたナギサ。
(ナギサ)
おやっさぁ〜ん!本日分っすよぉ〜(笑)
(料理長:男装)
毎度!で、オレ、女な。
納品を済ますとギルマスの部屋に行くナギサ。
(ナギサ)
ギルマス、どうだった?
(王都ギルドマスター ミレンナ)
あゝ、数はできれば1日5頭、種類は問わない、だ。
ギルド食堂の"ごちゃ混ぜ"が気に入ったらしい。
(ナギサ)
分かった、明日から納品するね。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
頼むわ。
後、肉や他も買い取りたいから丸まるで良いとよ。
職人どもも期待してるらしい。
(ナギサ)
分かった。
翌日からギルド食堂とラミング商会分の計8頭を納品したナギサ。
そろそろ新しい娯楽を、と言う声も上がり、新たに"五目並べ"など小出しで投入した。
"五目並べ"は"囲碁"もできるので、やり方が分からないナギサはルールメモを渡し、頑張ってくれと丸投げした。
未だ魔動車は投入できていない。
やはり走行場所の"サーキット"の確保が難しい。
ラミング商会が大きくなったとはいえ、それだけの土地を買うのは流石に国からの許可が要るのではないか?と懸念されているからだ。
そこを探りながら慎重に考えているのだ。
安全性に関しては、ナギサが魔法陣で確保しているとはいえ、試作車を試走できない以上、大々的に宣伝はできない。
それとなく"こんなのも開発中です""走行場所が確保できれば最終チェックと改良が出来て売り出せるんですけどね"ぐらいの宣伝しかできない。
国の動向を見ながら動いているのだ。
該当する貴族の興味を引き、社交界での噂から国の介入無しにできないか?という思惑があるからだ。
そこで砂漠地帯に隠蔽魔法をかけた状態でテスト走行が行われた。
やはり"ボールベアリング"の不調から火が出たりもした。
馬車や自転車感覚でグリスの使用に問題があったからだ。
遥かに速い速度で走る魔動車が発する熱が抑えきれなかった。
度重なる改良によりその問題は解決し、安全性のテストが行われた。
万全の体制とナギサによる魔法陣による安全性の確保で行った。
テストドライバーはナギサ……ではなかった。
死んでも生き返らせるナギサが万が一死亡した場合の莫大な損失を考慮したからだ。
よってテストドライバーはギルマス。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
大丈夫だよな?
(ナギサ)
まぁ、やってみないと分からない。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
おい(涙目)
(ナギサ)
華々しく散ってくれ(微笑み)
(王都ギルドマスター ミレンナ)
嫌だよ!散らすなよ!助けろよ!その微笑みが怖ぇ〜よ!!(半泣)
(ナギサ)
手加減無しだよ。
疑惑が残れば、次はボクがやる。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
そ、それは困る。
お前に何かあれば取り返しがつかない。
(ナギサ)
なら、頑張って散ってね(ニヤッ)
(王都ギルドマスター ミレンナ)
なああぁぁぁっ!(涙)
度胸一発、ド派手にクラッシュするギルマス。
ギルマスを救い出すナギサ。
脳しんとうを起こし、あちこち骨折はしていたが、命に別状はなかった。
(ナギサ)
うーん、もう少し安全性を上げようか。
"絶対死なない"が売り文句で当主、王族も楽しめなきゃいけないから。
(技師:男装)
ギルマスはどうする?
(ナギサ)
自然治癒(笑)
(王都ギルド職員 アンナ)
ナギサちゃん、ドS!(笑)
(ナギサ)
じゃ、治癒するか。
【テラヒール】
(王都ギルドマスター ミレンナ)
うっ、うーん……
(ナギサ)
あら、助かっちゃった(ニヤリ)
(王都ギルドマスター ミレンナ)
当たり前だろ、助けろよ!
(ナギサ)
自然治癒でも良いかなと、命に別状なかったし。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
いや、すぐ治せよ!
で、どうだった?
(ナギサ)
脳しんとうと骨折数カ所、複雑骨折あり。
もう少しだけ安全性を上げる。
万が一、死んだらダメだから。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
しかし、治癒はどうするんだ?
(ナギサ)
治癒室を作る。
魔法陣で強化して、治癒士が"テラヒール"相当の"ヒール"を発動できるようにする。
それとレース後のチェックで全員治癒室での"ヒール"。
"テラヒール"相当だから古傷も治る。
これだと安心して参加できるでしょ。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
壊れないようにはしないのか?
(ナギサ)
修理、部品代もね。
それに"絶対壊れない"となると、無茶無謀をしてレースを荒らすヤツが出てくる。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
なるほどな、商売と安全の両立か。
流石にあの恐怖を味わえば、無茶はしにくい。
(ナギサ)
改良したら、またテストだから(ニヤッ)
(王都ギルドマスター ミレンナ)
は?
(ナギサ)
ボクがやろうか?
(王都ギルドマスター ミレンナ)
いや、それは困る。
分かった、引き受けたら良いんだろ。
(ナギサ)
手加減したら取り返しのつかない事になるからね。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
わぁ〜ってるよ(涙目)
それから改良版をテストした。
治癒室も同時に作り、治癒士にも来てもらった。
今度は脳しんとうと骨折で済んだ。
治癒室に運び込んで、治癒士に治癒させる。
(治癒士:女)
えっ?
(ナギサ)
この治癒室には魔法陣が刻んであって、治癒魔法が増幅できるようにしてあるんだ。
(治癒士:女)
はぁ……
(王都ギルドマスター ミレンナ)
うっ、うーん……
(ナギサ)
ギルマス、起きて(ニヤリ)
ギルマスを踏みつけるナギサ。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
ぎょっ♡
ちょっと待て!踏みつけんじゃねぇ〜!!
(ナギサ)
いや、喜ぶかと。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
なんでだよ!
(ナギサ)
娼館通い(ボソっ)
(王都ギルドマスター ミレンナ)
ぬああぁぁぁっ!言うなああぁぁぁっ!!
(ナギサ)
アンナの太客(ボソっ)
(王都ギルドマスター ミレンナ)
ぎゃああぁぁぁっ!!
(王都ギルド職員 アンナ)
そうそう、昔、私の太客(笑)
(王都ギルドマスター ミレンナ)
言わないでえぇぇぇっ!!!
(ナギサ)
最終チェック、行ってくる。
そう言うと、治癒室を出るナギサ。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
最終チェック?おい、まさか、待て!ちょっと待て!やめろおおぉぉぉっ!!
ギルマスの制止も虚しくピットアウトしていくナギサ。
最終コーナーを立ち上がり、アクセル全開で飛び出して壁に激突する。
(王都ギルドマスター ミレンナ)
早く救い出せ!頼むから死ぬなよ!
救い出されたナギサは脳しんとうを起こし、骨折していた。
大急ぎで治癒室に運ばれる。
(治癒士:女)
あわわわわ……ひ、
【ヒール】
(王都ギルドマスター ミレンナ)
起きろ(ニヤッ)
つま先でツンツンするギルマス。
(ナギサ)
うっ、うーん♡ああぁ〜ん♡
(王都ギルドマスター ミレンナ)
変態!
(ナギサ)
安全性は大丈夫やね。
治癒も全く問題ない。
後は場所の確保だけやね。
いつでも売り出せる。
(ギルド御用達商会ラミング商会商会主 グレン・ラミング:男)
分かりました、お任せください。
魔動車投入の準備はできた。
工房も募集し、駆動方式の違う見本を渡した。
各々、これは!と思う物を持ち帰った。
未舗装路面や砂漠を使った"ラリー"というイベントも考えているので、よろしくと伝えると、専用車両が要りますか?
と言われたので、性格が違う競技だから必要と答えると喜んだ。
まぁ、倍売れる可能性があるからな。
同時開催じゃなく、魔動車が広く認知されてからやろうという計画を立てた。
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