第10話:能ある鷹は爪を隠す
イタリアという国家がある。ローマを首都としたその国は、もちろん古代ローマとは何の関係もないものの、たまにその存在を誇示し、子孫であると自称することがある。
そして、日魯戦争より始まった、いわゆる第一次世界大戦においてその国家は、周囲としては予想外の存在感を示すことになる……。
ブランデンブルグ、モンテカルロに続き、オスマン帝国の遊撃部隊が次の襲撃に選んだのは、フランス領でありイタリアにほど近い島嶼部であった。つまりは、コルシカ島である。
まずキプロス島に帰還した彼達は、オスマン帝国がイギリスと現状は緩いとはいえ交戦陣営が同じという意味で同盟関係にあることから当地で準備を整え、なんとイギリスの軍艦でコルシカ島を攻撃することにした。当初、イギリス側は難色を示したものの、度重なる交渉の末に10年分のキプロス島の家賃(貸借賃、とでも書くべきだが、ほかに言い様がなかったorz)と引き換えにオスマン帝国へ艦隊の一部を貸与、その中には新鋭艦艇であるはずのドレッドノート級すら存在していた。
当初、ドレッドノート級の存在価値をあまり理解していなかった周辺国は、イギリスが実験台としてオスマン帝国に貸し与えたと考えていたし、それは事実そうであったのだが、まもなくドレッドノート級戦艦は、コルシカ島攻略戦においてその破格の戦闘力を発揮することになる……。
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