第2話 入学試験

9年経った。


俺の体は大きくなり、筋力も付いてきた。


鍛錬も欠かしていない。


恐らく、前世の三分の一くらいの強さにはなっているだろう。


そして今日は、王立騎士学園の入学試験を受ける為、王都に来ていた。


早速試験会場に向かう。


まずは、筆記試験。


歴史や数学などの基礎知識や、剣術理論が出てきた。


(驚いたな。神武一刀流も出てくるとは。)


神武一刀流の本質は何か?という問題だ。


俺が作った流派なんだから当然、俺が最も熟知している。


魔力制御と体の使い方を工夫することで神速を生み出しながら、高い技術で相手を斬る。それに特化した剣術だ。


次に実技試験。


50メートル走は瞬間移動並みの速度で突破し、持久走も時速300キロで走り続けて突破した。


そして実戦だ。


相手は何と現騎士団長のオルヴァンさんだった。


「双方、構え!」


木刀を抜き、構える。


「始め!」


オルヴァンさんがかなりの速度で切り掛かってくる。


俺はその剣戟を受け流し、目にも映らぬ速度でカウンターを返す。


オルヴァンさんはギリギリで受けるも、弾き飛ばされた。


観戦していた生徒達は驚愕の声を漏らした。


「嘘だろ!?」


「目で追えなかった。」


「騎士団長を相手に、圧倒的な戦いを見せている!?」


そして最も驚愕しているのは、他でも無い騎士団長だった。


(何だこの速度。そもそも、この剣戟を見切れる者自体限られるというのに。一瞬でカウンターが飛んできた!)


そんな中、俺は冷静に相手の実力を測っていた。


(今のを受けるか。良い反応速度だ。だが、俺の最速でかかれば一発で倒せるな。)


オルヴァンさんが立ち上がる。


俺は、抜刀術の構えを取っていた。


俺は瞬きする間も無くオルヴァンさんに詰め寄り、一閃を入れていた。


「神武一刀流・死速一閃」


神武一刀流最速の抜刀術。これを防げた者は今までに存在しない。


俺の奥義と言える技だ。


死速一閃。その名の通り、真剣で受ければ確実に死に至る。


木刀で放ったが、それでも騎士団長が数十m吹き飛ばされ、気絶する程の威力。


だがそこは騎士団長。目を覚ました。


「勝者、フィオレ・イグニール!」


勝者の名が呼ばれた。





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