外部記事:静岡県母娘虐待殺人事件

この記事は、2022年7月21日木曜日に、インターネット上のとあるニュースサイトに掲載されたものである。

津久茂高等学校にて掲載された校内新聞ではなく、本物のニュース記事になるため、「外部記事」との項目名を付記している。



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 2022年7月上旬、静岡県●●市内のとある一般家庭において、女子高校生の首吊り死体が発見された。亡くなっていたのはその家屋に住んでいた矢乃重眞白(やのえましろ)さん16歳で、通っていた近隣の高校から彼女と連絡がつかなくなったとの通報があり、警察が訪問したところ遺体で発見された。どうやら死亡してから既に2~3日が経過しているようで、彼女の自室内は酷い熱気と腐敗臭で満ちていたという。


(眞白さんの自室を撮影した写真が掲載されている。天井から下がるライトに太い縄が括り付けられている)


 しかし、検死の結果、彼女の直接の死因は頭部への強烈な打撲によるものだということがわかり、彼女が自ら縊死と見せかけるための偽装工作が為されていたことが判明した。どうやら一緒に住んでいたはずの母親が行方をくらましており、事件に大きく関与している可能性があるということで市内での大規模な捜索が実施された。


 捜査開始の翌日、近隣の雑木林で身を隠していた母親・矢乃重白亜(やのえはくあ)さん42歳が発見され、殺人・ネグレクトの容疑で逮捕された。取り調べに対し矢乃重容疑者は容疑をすべて認め、ネグレクトに関しても彼女が幼少期の間から行っていたことを主張した。


 彼女は娘の眞白さんに対して幼少期からネグレクトを繰り返しており、仕事のストレスをすべて眞白さんに嫌がらせすることで発散していたとのこと。殺害に至ったキッカケについて「殺すつもりはなかった」と証言しており、離婚したはずの夫が行方不明になり、その件を調査していた記者が自分のことを突き止めて取材を持ちかけられ、そのことによるストレスを眞白さんにぶつけていただけらしい。


 亡くなった眞白さんはまだ高校生であり、近隣住民への取材によるとバスケ部に所属する天真爛漫な子供だったそうだ。近頃は家から泣き声が聞こえてくることもなく、ネグレクトの横行については外部には漏れていなかったと思われる。


(学校の体育館にあるバスケットゴールを被写体とした画像が掲載されている。著作権フリー画像かどうかは不明)


 未来のある若き少女の人生は、身勝手な親の手によって強引に終わらせられてしまったのだ。

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