第16話 運命の声と複雑な関係
タイトル:占い師(イル・カルトマンテ)
第2章 叡智(えいち)
【第6話】 運命の声と複雑な関係
【あらすじ】
オルテンシアの必死の誘いとセスの陰謀。それぞれが背負う過去と運命の絡み合いが、三者の対峙を鋭く予感させる。
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「水曜以外は、毎日有効よ。来てくれる?」
「もちろん」
──違う。行かない。
「行かない」
たとえそのチケットが、週に一度ではなく、毎日──いや、一生有効だったとしても。たとえ彼女が自らの手で、彼のためだけに作ったものだったとしても。彼女が“彼を必要としている”としても。
──オルテンシア。
彼のオルテンシア。
セスのオルテンシア。
過去の記憶の中に閉じ込められた、失われたオルテンシア。
「なぜ僕なんだ? なぜ“僕”じゃなきゃいけないんだ?」
「かつて、私たちは愛し合っていた。別の人生で──」
それは彼女が実際に口にしたわけではない。けれど、確かに彼にはそう“聞こえた”。彼女の唇から、彼女の声で。
──「でも、もしかしたら私は自分の願望を、あなたに重ねているだけかもしれない…」そう思った。
だが、彼にとって彼女は「特別」だった。本当にそうなのか。それとも、ただ彼の目には「美しく」映っただけなのか。
そして今──彼は、また彼女を裏切ろうとしていた。過去の人生でも、同じことをしていたのか?それは可能だったのか?
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(続く)
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