毎月300字小説 -読後の後味を添えて-

柊 奏汰

2025年

貴方と歩く道

第22回「歩く」参加作品です。


 ずっと1人で歩いてきた。ひたむきに、前だけを見て、必死に歩いてきた私だけの1つの足音。今は私が歩いてきた足跡を残して1つの道になっている。

 それはいつしか2人の足音になって、気付けば私にとって世界で1番大事な人が隣に並んで歩いてくれるようになった。

「いつまでも一緒に歩いていこうよ」

 そう差し出された手は大きく暖かくて、その温もりに涙が出そうになる。きっと貴方と一緒に歩いていければ、私の人生は虹色に輝いて、行く道は明るく照らされる。途中で迷ってもいい。途中で転んでも良い。その度に2人で手を取り合って、支え合って歩いていく。

 私の横で歩くことを選んでくれてありがとう。きっと貴方と2人なら大丈夫。

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