第2章

第11話


 坂下愛、33歳、専業主婦。夫と息子(5歳、3歳)が2人。


 身長は私より数センチ低くて、痩せてるわけでも太ってるわけでもない、若干むちっとした標準体系。顔は、私なんかより随分醜い。


 こんな奴が夫と息子を裏切って不倫して、相手の娘が死んだというのに会おうとしている。健吾も健吾だが、この女も相当狂ってる。



 まぁ、私よりは狂ってないのか。



 コイツ、絶対この世から排除してやる。



 私が健吾のスマホで“愛、会いたいよ”なんて送れば、“私も会いたい”なんて返ってくる。バカだな本当。お前、もうすぐ死ぬのにな。



 幸せそうに家族で歩く4人を見てると、ヘドロが出そうだ。気持ち悪い。こんなのが母親だなんて。



 息子たちはもみじ幼稚園の年長と年少か。旦那の会社は、メガバンクの法人営業マン。探偵に頼めば、こんなものすぐわかる。


 ちなみに愛は夫も息子たちが会社や幼稚園に行ってる間、多少融通の効く営業職の健吾と不倫をしていた。ラブホ、車、時には愛の自宅。そんなことがよくも出来たものだ。


 私と健吾は随分とレスだった。てかあんな奴に体を触られたくなかった。だからまぁ、愛とセックスをしてることは別に何とも思わない。


 ただ、不倫は当事者以外、当たり前に不幸になる。いい大人にもなって、そんなこともわからないのか。



 愛と健吾はこれから自分のした行動を悔いることになる。思い知れ。

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