第6話
当時の状況を話すために警察署へ行った。アイツのせいで紬が死んだのに、随分と平気な顔してないか?昨日、お前が流した涙は嘘だったのか?
「お辛い中、すみません…」
「いえ…何からお話ししましょうか」
私があまりにも平静だからか、刑事の方も驚いているようだった。
まるで私が紬の死を望んでいたかのような態度に見えてるだろうか。それでもかまわない。
「…夫とは別々で話したいのですが」
「あ、わかりました。じゃあ旦那さんはこちらでお待ちください。奥様…あちらへ」
少し離れた部屋へ案内された。先ほどよりだいぶ広い部屋。
「今、別の者が参りますのでおかけになって待っててくださいね」
「はい」
がらんとした部屋はシーンと音が聞こえるくらい静かで、まるで私の心の中を表しているようだった。
ギィ…
古い扉の音は奇妙だ。
「お待たせしました。橘美緒さん……え?」
私の顔を見た刑事の人が声を上げた。
「…あ、」
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