第23話 番外編:森の結婚式、
森の中、公爵家婚約パーティーの翌日
マルグリットとバロンの婚約祝いで大盛り上がりした翌朝。
森の焚き火の前で、マロン(元・聖女)はハーブティー片手に、大きく伸びをした。
「……ふぅぅ。
いやー、久しぶりに“神聖な仕事”したわ……」
アデルが笑いながら問いかける。
「仕事って……乾杯のときに花びら降らせたやつですか?」
「そうそう。あれね、式典用の“祝福魔法”よ。
王都じゃ二度とやらないって決めてたんだけど、マルグリットの婚約祝いなら別」
マロンの指先にはまだ金色の光が残っていて、焚き火の炎と混ざり合ってきらめいていた。
ジニーが横から口を挟む。
「ふーん、じゃあ次はあたしとアルファルの結婚のときもやってくれるの?」
「……うーん、そのときは肉と酒の量で交渉ね」
全員「そっちかよ!」とツッコミを入れる。
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「森式」祝福スタイル
マロンの祝福は、神殿でやるような荘厳なものではない。
森で育てたハーブの花や葉を使い、魔法で空に舞わせる。
香りとともに降り注ぐ光は、派手ではないが、見た者の胸を温かくする。
アデルは少し照れながら言った。
「あなた、本気出すと本当に“聖女”なんですね」
マロンはニヤリと笑う。
「本気出すのは、“大事な人のとき”だけよ」
マロンの結婚式構想
マロン
「できるわよ、こう手をあげて──虹と花を、パーっと空に放つの。
でも森でやったら、見てくれるのは鹿とリスだけね」
ジニー
「それはそれで可愛いけど……やっぱもったいないわよ」
マルグリット
「じゃあ、街の教会はどう? 森じゃなく、広場に面した教会でやれば、
虹も花も街中から見えるわ。
効果範囲を広げて、通りの人も巻き込むの」
マロン
「それ、いいかも! 街全体に祝福をかけちゃうの。
パーっと、どこから見ても虹と花びらが舞うように」
アデル
「ただし王家はもう無関係だから、招待状に“王都関係者お断り”って書くべきですね」
マロン
「決まり! 王家抜き、森の仲間と街の人たちだけの、史上最大の“パーっと婚”!」
マロン&アデルの結婚式 — 森から街へ大移動!🌸
1. 会場と演出
• 会場:街の中央広場に面した古い石造りの教会
• 外装:教会前は花飾りで埋め尽くされ、森から運んできたハーブや薬草も装飾に使用。
• 演出:誓いの瞬間、マロンが両手を高く掲げて神聖魔法を発動。
• 空に大きな虹が架かり、色とりどりの花びらが街全体に降り注ぐ。
• 魔法の花びらは甘い香りを放ち、触れると小さな幸運が訪れる仕掛け付き。
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2. 森メンバー総出演
• マルグリット:花嫁介添え役。淡いハーブグリーンのドレスで参列。
• ジニー&アルファル:式場入り口で来賓を迎える。ジニーは石けんセットの引き出物担当、アルファルは警備と案内。
• ララ:屋台担当。森産のハーブクッキーとミード(蜂蜜酒)をふるまう。
• バロン:楽団リーダー。森と街の混合音楽隊を指揮し、笛と太鼓で行進曲を演奏。
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3. 屋台と音楽隊
• 屋台ラインナップ
• ハーブ香る焼きソーセージ
• 森の蜂蜜たっぷりクレープ
• ジニー特製「森の石けん」即売所(香り見本付き)
• イノシシ肉の炭火串焼き(アデル討伐品)
• 音楽隊
• 森の獣人の笛&太鼓隊と、街の若者ブラスバンドが合同演奏。
• 誓いの後は軽快なダンス曲に切り替え、広場全体でフォークダンス大会。
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4. 式のハイライト
• 誓いの瞬間
アデル:「これからも、森でも街でも、隣に立たせてください」
マロン:「もちろん。あなたとなら、どこだって幸せにできるわ」
虹と花びらが舞い、街中から歓声。
• 祝福の広がり
魔法の祝福が街の外れまで届き、その日だけ商売繁盛・病気快癒の“奇跡”が噂に。
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森と街をつなぐ祝宴パート ~マロン&アデル結婚式 後半戦~
1. 乾杯から始まる大騒ぎ
• 教会の式が終わると同時に、広場中央に設けられた巨大な樽が開封。
• その中からは森産ハチミツ酒(ミード)があふれ出し、全員が木製カップを手に乾杯。
• アデルがひとこと「これからは夫婦で飲みます!」と宣言すると、なぜか全員「おおおーっ!」と歓声。
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2. 飲んだくれ組の暴走
• ジニー&アルファル
• 串焼き片手に踊り出し、「森の石けんテーマソング」を即興で熱唱。
• 街の子どもたちも真似して大合唱。
• マルグリット
• バロンとハーブ酒を飲み比べ勝負 → 3杯目で顔真っ赤、笑顔全開。
• ララ
• 自分の屋台を放置して、音楽隊に混ざって太鼓担当。
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3. ダンスバトル勃発
• フォークダンスがエスカレートして、街VS森の即興ダンスバトルへ。
• アデル&マロン夫婦はペアで華麗に舞い、最後にキスを決めて勝利。
• 観客席からは「ごちそうさまー!」の声。
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4. 予想外のプロポーズ連発
• バロンが人前でマルグリットにプロポーズ。
「この世の終わりにも、あなたと笑っていたい」
→ 会場全員が拍手&口笛。
• 屋台の兄ちゃんが突然ララに告白。
「ハーブクッキー、一生作ってくれ!」
→ ララ「あんた歯が弱そうだから石けんからな!」
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5. 終盤のクライマックス
• マロンが再び手を掲げ、夜空に小さな花火のような光の魔法を放つ。
• 花びらが光を帯びて舞い、音楽と混ざって幻想的な景色に。
• 街中から「また来年も!」の声が上がる。
• アデル:「じゃあ毎年やりますか」
マロン:「年一じゃなくてもいいけど?」
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6. 後日談
• 翌朝、街は“結婚式という名の大祭り”の余韻で笑顔だらけ。
• 森の面々は、余った料理や酒を山ほど持ち帰り、「しばらく買い出し不要」状態に。
結婚式翌日。
次の日の新聞には、見開きで「森と街の奇跡の婚礼祭!」と大見出し。
そこには、マロン(元聖女)とアデルが笑顔で並び、周囲で踊る森メンバーや街の人々の写真が。
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