第14話 小人を待ち受ける罠
僕は下宿が終わった朝。莉緒さんの手に摘ままれて大樹高校に向かっていた。
「深雪さん降ろしてください……」
「駄目ですわ。このまま高校にお連れいたします」
深雪さんは僕を大樹高校に連れていく気満々だ。
「わかりました……」
僕は観念して従うことにした。そして高校に着いたところで「ではごきげんよう♡」と地面に落とされてしまった。
「ううっ……」
僕は何とか起き上がるけれど周囲は巨人の靴が闊歩している魔境だ。いつ潰されるかも分からない。
「おはよ~!」
「この間小人街行ったらさぁ~登校中の園児がいたんだよ!」
「え~何それ!可愛いの?」
「うん!脅かしたら逃げ回ってめっちゃ面白かったよ~!」
「いいなぁ~!私も遊び行きたいな~」
そんな会話が聞こえてくるが、僕はすごく恐ろしい。端を通って歩こうと思って僕は昇降口まで端っこを通って行った。すると下駄箱の下あたりで急にベトベトして来て……
「こ、これは……」
僕はべったりしたものに捕まってしまった。
「これは早速虫が引っ掛かりましたね」
後ろからズシンズシンと僕を怯えさせる足音がする。振り返ると眼鏡をかけた椿さんがそびえ立っていた。
「こ、これは何ですか?」
「何って見て分かりませんか?小人ホイホイですよ」
「小人ホイホイ……」
僕は恐怖で震え上がる。すると、椿さんは僕をつま先で突いて押し倒す。両手もベタベタに触れて動けなくなる。
「あっ!」
「では小人の処理をしますか」
彼女は僕を小人ホイホイごと摘まみ上げる。
「うわぁぁっ!」
「誰かと思えば翔太くんですね。良くこの罠に引っ掛かりましたね。小学生上がりだから知能が足りないんでしょうか」
彼女は手のひらの上の僕を挑発する。僕は逃げたくても動けない。
「そんなこと言わないでください……」
「そんな翔太くんに良いことを教えてあげます。虫と間違えられた小人はね……こうやって握り潰されちゃうんですよ?」
彼女は小人ホイホイごと僕を握りしめる。
「うわぁぁぁぁ!」
僕は悲鳴を上げる。しかし彼女は僕を離さない。
「ふふっ、翔太くんって本当に可愛いですね。ほらちっちゃい身体で頑張って抵抗してください」
彼女は僕を手のひらで握ったり離したりする。僕は恐怖で震えが止まらない。
「はい着きました」
彼女がパッと手を離す。そこは教室だった。僕は教卓の上に投げ出される。
「はぁ……はぁ……」
「椿~何を持ってきたのよ」
夏希さんが僕を見て言う。
「虫くんですよ。ほら」
椿さんは小人ホイホイを開けると、僕は女子たちの前に晒される。
「うわ無様……」
「翔太くん捕まっちゃったね~♡」
「うう……」
僕は恥ずかしくて泣き出しそうになる。
「じゃあ……潰すっスか?」
「そうね」
女子たちが僕の方に迫ってくる。僕は逃げようとするけれど逃げられるわけもなく……
ツンツン……
「ひゃあっ!」
「無様すぎるっスね~。しごきが足りなかったんすか?」
杏花さんに背中をつつかれる。僕は悲鳴を上げて動けなくなる。そして……
「はぁ~お尻が見えてますわよ?翔太様♡」
深雪お嬢様が僕のお尻を指で触る。
「女の子みたいなお尻ですわね。ふふっ」
「触らないでください……」
「そんなつれないこと言わないでくださいまし」
深雪お嬢様が僕のお尻を指で弾く。
「ひゃあっ!」
僕はお尻を手で押さえる。しかし逃げられない。
「はぁ……可愛いですわ。しっぽを付けてしまいましょうか」
「じゃあアタシ猫耳つけるっす!」
僕は必死に逃げるけど、すぐに捕まってしまう。そして……
「はい捕まえたっス~」
杏花さんに摘ままれて、小人用の猫耳のカチューシャを押し付けられてしまう。
「これで翔太くんは虫からネコちゃんに出世ですね♡」
「うぅ……恥ずかしいです……」
僕は涙目になる。すると……
「はい。じゃあみんな席についてね~」
桜庭先生が教室に入ってくる。そして僕は先生に見つかる。
「しょ、翔太くん……」
「はい」
「何でこんなベタベタの粘液に包まれてエッチな姿になってるんですか!」
桜庭先生は僕を見て言う。
「こ、これは……その……ごめんなさい……」
僕は謝るしかなかった。すると桜庭先生は僕の頭を撫でる。
「でも天使的に可愛いから許します♡みんなもそう思いますよね」
「「「はい♡」」」
僕は虫なのか猫なのか天使なのか……
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