ジョーカーをつかまえろ! 時をかける巫女

daisysacky

第1話 プロローグ…1

 ガタガタガタ…

玄関先で、物音がする。

「なに?」

「だれ?」

 しばらく待ってみるけれど、返事がない。

やはり気のせいか、とアキは思い直す。

「ねぇ、アキちゃん、ちょっと見てこようよ。

 ドロボーだったら、どうするの?」

カガリの言葉に、しぶしぶ玄関へと向かう。


「やっぱり、誰もいないじゃない」

 扉を開けて、一応外を確認するけれど、人っ子一人、目に入らない。

だが、先ほどからカガリは、何か一点を凝視している。

「カガリちゃん、どうしたの?」

声をかけると、

「アキちゃん、あれ…」

まっすぐに、足元を指し示す。

 

 白いコンクリートの段の所に、何か白い物が置かれている。

「あれって…」

どこかで見た記憶があるなぁ~と思い、近付く。

「これって、オジサンの…」

カガリがつぶやく。

「えっ?オジサン?」

見た感じは、何の変哲もない白いツボだ…

何だか、モヤモヤとする。

不審物を見かけたら、ひとまず、警察に通報(もしくは持っていく)べき

じゃあないのか?

(もっとも、手を触れるのも、何だかおっかないけれど…)

おそるおそるアキは、近付く。

「これって、もしかして、ガブくんのお父さんのじゃあないの?」

カガリがさらに言うので、アキは

「あぁ~」とようやく思い出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る