第19話:エルヴィナの目的、町田の日常

夜の忠生アパート。

レオニス(怜央)は、廊下ですれ違ったエルヴィナ=志乃を腕を掴み、低く囁いた。


「……いつまで惚けている。何が目的だ、エルヴィナ=クローディア」


女は小さくため息をつき、そして微笑んだ。


「やっぱり、あなただけは気づいたのね。……そう、私は管理委員会の派遣。

勇者と魔王の監視が使命。すべては──あなたの失敗が原因よ、レオニス」


レオニスは奥歯を噛みしめる。

(やはり……俺の過去が……)



だがエルヴィナは、それ以上は何も仕掛けない。

翌朝も普通に市役所に出勤し、アルマの隣で書類を整理。

夕方には帰宅し、アパートの階段をのぼるだけ。


勇者と魔王は全く気づかず。


「いやー志乃さん、今日も残業か。社会人すげぇな!」(マサト)

「うむ、真面目で助かる。市役所の鑑だ」(アルマ)


……アホである。



夜、自室で独り。

彼女は窓越しに町田の夜景を見つめながら呟いた。


「……勇者のバイト姿、魔王の真面目な勤務態度……

そして弁当、カラオケ、サイゼリヤ……


なんなの、この町田。……ちょっと気に入っちゃったじゃない」



翌週末。

またも勇者の部屋でお好み焼きパーティ。


勇者、魔王、レオニス、あまね──

そして今度はエルヴィナまで合流。


「よし! マヨ追加だ!」

「俺の味の素マヨを使え」

「私は業務用を持参した」

「……PBロピアも捨てがたいわね」


……なぜか参謀まで加わり、マヨ談義が加速する。



駐車場から覗く響と猫丸とべす。


響「……管理委員会の刺客、完全に馴染んでる」

猫丸「町田じゃあ、敵も味方も結局マヨ仲間だな」

べす「ワン!(=アホだ)」


三人は顔を見合わせて頷いた。


「アホだ……」

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