第2話─するかしないかそれが問題だ。
「はぁ…」
ベットの上であぐらを掻きながら、中年教師だった俺─タイセイ─改め、弥勒院アラタはため息をつく。
いや、ため息をつきたくもなるよなこんなもん。
異世界に転生したと思って喜んだのも束の間、自分が地味な教師キャラのアラタだったなんて…。
前世も教師、今世も教師(予定)とはなにか教職に縁があるのか。
ってか俺死んだんか、今更になってその事実が重くのしかかる。
…まぁあの年になってあの激務は無茶だったか。授業の準備に部活動の顧問に…
寝る間も惜しんで働いた結果がこれかよ…。
まぁ両親より後に死ねたことと、結婚せずに妻も子供も残して先立つようなことがなかったのが唯一の救いか…。
ヨシ!切り替えろ俺!そうなったら早速行動に移らねば!まずは今がいつなのか確認するところだな…。
見た目的に原作開始前だろうが…。
携帯でカレンダーを見て現在の日付を確認する。
時間帯はっと……、2010年ってことは俺は小学4年生で、原作開始の15年前か……。
「これは……アリでは!?」
よくよく考えれば主人公よりも先に生まれて先に行動することができる。これは大分デカいアドバンテージになるはずだ。
「っていうか…、俺、主人公っていうガラじゃないしな。うん。」
そう思うと、ハーレムにもあまり魅力を感じないし命懸けの闘いなんてしたくないし、アラタに転生したのがアリに思えてきた。
逆に考えるんだ、主人公なんて貧乏くじだと。主人公ポジをあげてやってもいいさと。
で、あるならば
「(原作改変を)するかしないかそれが問題だ。」
と言ってみたのはいいものの、自分の中で答えはもう決まっている。
俺は!!安全なポジションから!!原作を見守るおじさんになる!!
これでいこう。原作改変はできるだけ小さな範囲で、それでいて原作通りに物語が進むよう十全な準備を今から始めよう。それがいい。
そうと決まれば──
「明日の学校のために寝るべし!!おやすみなさーい。」
5秒で寝た。
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