The Horned One -ツノ持つ者-

ノキ

プロローグ

2XXX年。田舎の村で生まれた赤ん坊に、ツノが生えた。生後わずか一週間のことだった。

 同じような赤ん坊が世界各地で見られ、これは新たな人類の誕生であった。

 彼らが旧人類と異なるのは、異常な知能の高さと、そしてなにより、頭に「ツノ」を持っていること。

 ツノの大きさや形は各人それぞれだが、最初に発見された子のツノが羊のような形をしていたため、彼ら新人類は通称『シープ』と呼ばれた。


 シープは旧人類に比べて知能が高く、その知能と天才的な発明で世界を塗り替え、莫大な富を築いた。

 しかし、あまりに突出した力と外見の違いは旧人類の不満を招き、やがて迫害の対象となった。

 世界各地で追い詰められたシープは一つに集い、独立国家を作った。

 

 シープだけの独立国家、『ホルネア』ができて100年余り。

 今やホルネアは世界一の技術国家になり、世界はホルネアの技術なしでは生きられない。

 たった今通りすぎた車に、今朝乗った電車。そして今手元にある携帯電話だってホルネアテック製品だ。

 

 しかし、ホルネアは非シープの立ち入りを厳重に禁じている。同様に、シープも国外へはでられない。

 つまり、基本的に非シープはシープと接点を持つことはない。あってはならないのだ。

 

 彼らシープは、どのように暮らして、何を楽しんでいるのか。

 そんなことは今後、知る由もない─────

 ──────はずだった。

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