魔王の息子ですけど、人間の女の子に恋してもいいですか?
七劇神テムト
プロローグ 魔王の息子の苦悩
俺は十四歳になったときにふと思った。俺は将来、両親のように結婚できるのかと。
俺は普通の魔族と違って異形で生まれた。俺の身体は特殊な両親譲りで、人間とそんなに変わらない。
魔族の雌は体格が大きく成長すると三メートル以上になるのが普通だ。それは俺の身長の二倍近くある。彼女たちは硬い毛で全身が覆われていて太っている個体が多い。そして、彼女らは常に裸で羞恥心がまったくない。
俺は魔族の雌に全く魅力を感じない。これは俺の魔族としての本能と身体的な欠陥だと思う。
ところで、母は人間ではないが、母も人間のような姿をしている。俺から見ても、母は美しい。当然、服は着ている。どうやら俺は人間の姿に惹かれるようだ。
でも、魔王の息子である俺が人間の女の子と仲良くなるなんて許されるのだろうか?
幸いにも俺は他の魔族とは違って、人間を殺して食べることはない。過去に一度も人を殺したことはない。
両親によると、俺は数千年以上生きられるそうだ。そんな長い間、ずっと一人は寂しい。俺はできれば、人間の女の子に恋したい。
俺はこのことを母に相談した。母は異種族である人間との恋愛は難しいという。第一に人間の寿命は短い。第二に俺が魔王の息子だと知ったらその子に拒絶されるだろうと。
でも、母が長い人生だから俺を受け入れてくれる人間の女の子がもしかしたら現れるかもしれないと言ってくれた。そのためには、まず人間のことをもっとよく知ることが大事だとアドバイスしてくれた。
人間のことを知るには、どうすればいいのだろう?
俺が魔王の息子でもいいなんて言ってくれる女の子なんているだろうか?
魔王である父は放任主義で、俺が次期魔王になることは想定していないようだ。俺には俺の得意魔法で彼に貢献する以外は好きなようにしろと言われている。彼には純粋な魔族の子供が多いから、その中の誰かが次期魔王になるのだろう。
であれば、俺は人間の言語を覚えて、人間の国で暮らしてみたい。それは許されることなのだろうか?
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