第22話 雨降って
……ところで、それはそれとして。
「……ねえ、
そう、控えめに尋ねてみる。……いや、尋ねられてもないかな? でも、続く言葉も察してくれたようでそっとうなずく高畑さん。そして――
「……まあ、そゆこと。この人――
「…………」
そう、
「……ほんと、どうせならすっごい
「……高畑さん」
そう、かすかに微笑み告げる高畑さん。……うん、やっと分かった。どうして、きっと顔を合わせたこともなかった高畑さんが、あんなにもわたしのことを嫌っていたのか。きっと、高畑さんは鴇河くんのことが……まあ、流石に今それを口に出すほど
「……まだまだダメダメなピッチャーだけど、これからもよろしくね、高畑さん」
そう、代わりに告げる。今、わたしが伝えるべきは、きっとこれくらいしかな――
「いや、別にいいかな。あんたの相手とか大変だし、今はサードの方が好きだし」
「ええっ!?」
「それに、あんただって彗月先輩の方が良いでしょ?」
「……まあ、それは……」
「ほら、否定しないんじゃん。……まあ、でも万が一にもまた機会があれば、そんときはよろしく」
「……っ!! うん、こちらこそ!」
すると、最後の方は目を逸らしつつボソリと口にする高畑さん。そんな様子が少しおかしく、それでいて嬉しくなり返事をするわたし。
……うん、一時はどうなることかと思った。もしかしたら、このままずっと
でも、鴇河くんが言ってくれたようにこうして話してみたら、
……そういえば、なんて言うんだっけ、こういうの。なんか、ことわざがあったよね。こう、雨降って、雨降って……うん、まあいっか!
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