第5話 お兄ちゃん悩殺計画

(翌朝)


(泣きそうな声で)

「お、お兄ちゃん、そ、外っ、外……」


//SE カーテンを開ける音

//SE 雨音


「雨降ってる……」


「今日、一緒に海に行くはずだったのに……っ!」


(泣き出す)

「私、お兄ちゃんと海に行くために、一生懸命ダイエットしたんだよ? お兄ちゃんを悩殺するために水着だって買ったのに……」


「酷い。酷すぎる。お兄ちゃん……」


(泣き止んで)

「ぷ、プール! そうだ、プールなら行けるよね!?」


(また泣きそうな声で)

「……嘘。電車、止まっちゃってるの?」


「私のお兄ちゃん悩殺計画が……」


(顔を上げて)

「決めた。私、今日は家の中で水着で過ごす」


「意味が分からない? 分かってよ、私、お兄ちゃんに水着姿を見せたいの!」


「……お風呂?」


(嬉しそうな声で)

「そっか、お風呂に水入れたら、小さいけどプールみたいになるよね!?」


「最高のアイディアだよお兄ちゃん! 狭い分密着できるし、二人きりだからなにしたって問題ないし」


(にやけた声で)

「それにしても、そんなアイディアを思いつくなんて、やっぱりお兄ちゃんも私の水着が見たかったんだね?」


「……え? 違う?」


(照れた声で)

「わ、私が泣いてるのが嫌だっただけ? な、なにそれ狡い大好き……」


「私、お水ためてくる!!」


//SE 綾音がドタバタと走り去る音





(風呂場)


「家のお風呂場で水着なの、なんか不思議な気分だね! どう? 似合う? 綾音、可愛い?」


「お兄ちゃんってば、私の顔ばっかり見てる。そんなに私の顔が好きなんだぁ」


(からかうように)

「あっ、次は胸ばっかり見てる? お兄ちゃんのえっち」


「ふふ、お兄ちゃんなら、どこ見てもいいんだよ?」


「じゃ、入ろっか」


//SE 水風呂に入る音


「わー、冷たーいっ!」


「えいっ!」


//SE 水をかけられる音

//SE 水をかけ返す音


「ちょっ、お兄ちゃんっ、顔はだめだってば!」


//SE 水をかけ合う音


「お家でもプール、楽しいね!」


「雨が降ってくれてラッキーだったかも」


//SE 綾音が近づいてくる音(水音)


「水着だと、いつもよりくっついてる感じする」


「水は冷たいけど……お兄ちゃんの肌は、あったかいね?」


(耳元で)

「綾音と、もーっとくっついてみる?」


(ちょっと拗ねた声で)

「……こんなに頑張って誘惑してるのに」


「急すぎる? だって、3日間しか一緒にいられないんだもん」


「……えいっ!」


//SE 水を盛大にかけられる音


(はしゃいだ声で)

「お兄ちゃん、油断したでしょー! 3日間しかいられないんだから、しょんぼりしてる時間なんてもったいないもん!」


「私の可愛さと、お兄ちゃんの理性の勝負だね?」


「私が勝ったら、お兄ちゃんを私の旦那さんにするから!」


(楽しそうな声で)

「お兄ちゃんが勝ったら、お兄ちゃんのお嫁さんになってあげる!」


//SE ひたすら水をかけ合う音





(ぐったりした声で)

「疲れたね……」


「うん。眠たい。でも、お腹も空いたかも……」


//SE お腹が鳴る音


「……やっぱり、お腹空いちゃったみたい」


「そうだなぁ、コンビニもいいけど……」


「ね! 一緒にスーパー行って、お買い物しない? 私がお兄ちゃんの好きな料理作ってあげる!」


(嬉しそうな声で)


「決まり! ふふ、一緒にスーパーだなんて、新婚さんみたいだね、お兄ちゃん!」

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