第9話 神理経済世界構想
龍誠は、初老の人と心が通ったあとに、瞳と一緒に、この宇宙船で、未来の人類のための神理経済世界構想のレクチャーを受講していた。
その内容を要約すれば、マルクスの経済論は嫉妬経済で間違っているということだ。
自由主義国の資本主義も、貧富の格差を生んで嫉妬心がテロや犯罪を引き起こす。
そのため、経済原理の中に、神の理法を内在させなければならないという内容だった。
ミクロの個人の仕事においては、魂を向上させるための精神性の高い仕事が求められる。
マクロの組織の経済原理においては、経営に携わるスタッフは、神仏の心を忖度して、騎士道精神をもって、自他一体の発展を目指すべきであるという、西洋的には
ウインウインの考え方に近い繁栄法則である。
そのような適正な発展を目指すためには、常に脚下照顧して、自分と他人の違いを
知り、内省的な時間を持ち、愛と慈悲の心で神仏と同通していなければならないそうだ。
これが、地球よりも数千年進化した宇宙の知的生命体の普遍的な経済原理だそうだ。
龍誠は、2時間の講義を終えて、瞳と内容を検証していた。
瞳「難しくて、わたしには一割も理解できなかった」
龍誠は、笑顔で瞳を抱きしめた。
そこへ、小百合が来て、次の講義は、超能力開発法らしいと告げていった。
これには、小百合も興味があって、受講するらしい。
つづく
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