第34話 生産者たちのゆるふわ総力戦
アークスの「ちょっとした」破壊行動と、ミオの『生産者連合』結成のニュースは、世界中を駆け巡ったんや。
『生産型移動要塞『フロンティア号』』は、今日も空をゆったりと移動しとったわ。
ミオの工房は、文字通り「動く世界の中心」や。
(うわぁ、世界平和って、こんな簡単に実現するんやなぁ!うち、天才かもしれへん!)
ミオは、フカフカソファに埋もれて、資材スライムをモフモフしながら、至福の時を過ごしとった。
資材スライムは、ミオの膝の上で、気持ちよさそうにぷるぷると震える。
『生産者連合』の会議は、フロンティア号の広大な会議室で行われたんや。
王族や魔族、エルフ、ドワーフ、獣人族、そして人間まで、様々な種族の代表たちが集まっとる。彼らは皆、ミオの生産力に驚嘆し、その能力を世界のために活かすことに賛同してくれたんや。
資材スライムたちが、テーブルの周りで素材を運んだり、お茶を配ったりしている。
彼らが「ぷるぷる」と可愛らしい音を立てているのを見て、各国代表たちも顔をほころばせた。
(ほんま、平和な会議やなぁ。こんなんやったら、毎日でもできるで!)
ミオは、満足そうに頷いた。
やけど、アークスはんは、相変わらず世界の「再構築」にこだわり、ごくごく軽微な破壊行動を続けていた。
彼の行動が、世界に「ごく軽い」混乱を招く。
たまに、空中に亀裂が入ったり、地面が陥没したり。
そんな「ちょっとした」混乱が、各地で報告されるんや。
(あかん、またアークスはんがなんかやらかしとる!しゃーないなぁ、うちがサクッと解決したるか!)
ミオは、そう言って、資材スライムたちに指示を出した。
「よし!みんなで楽しく、最終作戦や!」
ミオは、仲間たちに声をかけた。
ライオス、シエラ、フィオナの「暁の剣」パーティ。
アルフレッド王子、リリアーナ王女、ルナリア姫。
ドワーフのゴルムはん、エルフの学者エリアス。
そして、世界中の生産者たち。
みんなで力を合わせ、アークスの「ちょっとした」破壊行動に立ち向かうことになったんや。
ミオは直接戦闘はでけへんけど、彼女が生産した「戦況をひっくり返す決戦兵器」で仲間たちを支援する。
「ライオスさん!これ、使ってみて!『敵の能力を一時停止させる魔力干渉装置』!敵が動けなくなる間に、サクッと倒したってや!」
ライオスが受け取った装置から、透明な光線が放たれる。その光線は、まるで糸のようにアークスを拘束する。
光線が当たったアークスの手足が、ピタッと止まる。
「な、なんだと!?ワタシの破壊の力が……!?」
アークスが、驚きと困惑の表情を浮かべとる。彼の顔は、悔しさで歪んでいる。
「フィオナさん、みんなを守ってな!『味方を守り抜く絶対防御システム』!これがあれば、どんな攻撃も大丈夫やで!」
フィオナが起動させたシステムから、半透明のドーム状の結界が展開される。その結界は、まるでシャボン玉のように美しく輝いている。
アークスの放った破壊の光線が、結界に当たると、まるで水面に石を投げたように、波紋を広げて消えていく。
「シエラさん!これ使って!『敵の弱点を突く情報解析機『真理の鏡』』!これで、アークスはんの弱点、丸わかりやで!」
シエラが真理の鏡を構えると、鏡にアークスの姿が映し出される。
アークスの全身に、いくつもの光る点が浮かび上がった。それは、彼の魔力回路の弱点を示しているようや。
「これは……弱点!?」
シエラが、その弱点を狙って、短剣を投擲する。短剣は、光の点に吸い込まれるように突き刺さる。
戦場では、資材スライムたちが大活躍や。
「ぷるる!」
スライムたちが、素材を運び、一振りで壊れるチート武器を次々と供給する。
ミオは「はい、次、鉄!」「あ、木材!」と指示を出す。
資材スライムバズーカーも、火を吹く。
「資材スライムバズーカー撃っとき〜。ついでに資材もぎょーさん持って帰ってきてや?」
砲弾がアークスを破壊し、その残骸をスライムが回収・精錬して補充される。
(このぶっ壊す感覚、最高やん!必要かどうかちゃうねん。作りたいから作る!それがうちのロマンやねん!)
ミオは、アホみたいにでかいバズーカーや見たことない魔法タクトを生産し、「うわぁ壊れたー!」って笑うまでが醍醐味として描かれる。
アークスの破壊の力が、資材スライムバズーカーで撃たれるたびに弱まっていく。
「な、なんという無限の生産……!こんなはずでは……!」
アークスは、混乱した表情で後退する。彼の体からは、魔力が不規則に漏れ出している。
ライオスが剣で、シエラが短剣で、フィオナが回復魔法で、それぞれアークスを追い詰めていく。
ゴルムはんは、資材スライムが吐き出した金属を使い、その場で即席の罠を仕掛ける。
エリアスは、古代の知識を駆使し、アークスの魔力回路の構造を解析する。
ルナリア姫とリリアーナ王女は、工房から安全に戦況を見守りながら、ミオを応援する。
「ミオ!頑張れ!」
資材スライムたちは、そんな姫様たちの足元で「ぷるぷる~!」と応援する。
ミオの「究極の生産」と、仲間たちの力がゆるやかに融合し、世界のちょっとした危機を乗り越えるんや。
戦場は、激しい攻撃と、資材スライムたちの可愛らしい「ぷるぷる」という音で満ちていた。
ミオは、戦場をゆるく支配し、みんなを笑顔に導いていく。
アークスは、次第にその破壊の力を失っていき、最後はぐったりと地面に倒れ込んだ。
「……負けた……まさか、こんな形で……」
アークスの顔には、呆然とした表情が浮かんでいた。
ミオは、アークスの横にそっと座った。
「もう、アークスはん。世界を壊すとか、めんどくさいことせんと、うちの工房で一緒に美味しいお菓子でも作らへん?」
ミオが、アークスに『魔力たっぷりロールケーキ』を差し出した。
アークスは、ロールケーキを不審そうな顔で見つめる。
「お菓子など……」
そう言いながらも、アークスはロールケーキを一口食べる。
その瞬間、彼の顔に、またしても悔しさと幸福感が混じり合った表情が浮かんだ。
「ぐぬぬ……甘い!甘すぎるぞ、だがそのお菓子は最高に甘い!」
ミオは、にっこり笑う。
戦いは、平和な飯テロで、サクッと終わったんやな。
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次回予告
アークスとの最終決戦が、いよいよ決着!?
『世界調和装置』が起動して、世界は再生に向かうで!
だけど、うちの能力の代償は、一体どうなるんやろか!?
そして、アークスはんとの真の和解は!?
次回、チート生産? まさかの農奴スタート! でも私、寝落ちする系魔女なんですけど!?
第35話 新たなる世界の始まりとミオの決意(ほのぼの再会回)
お楽しみに!
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