第22話〜住む家探し〜

「あーっと、ちょいまちーやサハラはん」


昇級が終わったので窓口から立ち去ろうとした所ユウカさんに呼び止められる


「あんさん、冒険者荘に住んどったやろ?Eランクに上がったさかいFランク用の冒険者荘からは退出せなあかんねん」


「うえ、マジですか」


「マジやマジ、あくまでも冒険者初心者向けの政策のうえでの建物やからね、言うても1週間は居ても大丈夫や、その1週間の間に次の居住地を見つけなあかんで」


「はー、なるほど了解です」


「ん、これでホントにEランク昇級の話は終いや、住まい探し頑張りーや」


と、送り出される、家探しか···伝手に頼る?今ある伝手はアルペン牧場のグレイさんとトライセル薬研のイオタ所長だ、しかし···


「とりあえず不動産行ってみよう···賃貸ならあるかもしれないし」


と、冒険者ギルドから商業区の不動産に向かって5日、


「み、見つからねぇ···」


そう、この5日間不動産に通い詰めるも条件にあった賃貸が見つからなかった···というか、「せめて冒険者ランクがDかEでもコッコハンター(コッコ狩り専門の冒険者)なら喜んで貸すんですけどねー」とお祈りをめっちゃくらい不動産の職員さんに平謝りされる程だった、まあ確かに冒険者業って不安定だけどさ···それにしたってあんまりじゃね?


「うーむ、出来れば頼りたくなかったんだけどなぁ···」


と、言う訳でトライセル薬研の受付にイオタ所長との面会を取り付けて貰い面会する


「やぁ、やぁサハラ君、君から尋ねてくるなんて珍しいね、いや、Eランクに上がったって事はもしかして住む場所探しかな?」


「うぐぅ、そのとおりです···お願いします!イオタ所長!もうこれ以上お祈りされるのは辛いんです!」


ガバっと土下座も辞さない覚悟で立ち上がり床に膝をつこうとした瞬間やんわりと止められる


「安心したまえ、君にはうちの依頼を沢山受けて貰いたいからね、先行投資といこうじゃないか」


と、イオタ所長が机の引き出しから鍵を取り出し渡してくれる


「実は私の両親が住んでいた家がまだ丸々残っていてね、ああ、両親に関しては気にしなくて大丈夫だ既に亡くなって6年は経っている、君にはこの家を買って貰うよ、Dに上がるまでに金貨10枚集めて貰う、稼ぎ方は任せるよ、一攫千金を狙ってダンジョンに潜るも良し、大型モンスターを倒しギルドを通して市場に卸すも良し、指名依頼を沢山受けて貯金するも良しだ」


「無論、うちからの指名依頼を受けてくれたら報酬に色をつけよう、どうだい?」


断っても二進にっち三進さっちもいかないので有無を言わず受け取る


「必ず、Dに上がる迄に金貨10枚集めます!」


「ふふ、頑張りたまえ、たまに私もそっちの家に顔を出すからその時はよろしくね、あ、これがその家までの地図ね、不動産の方には私から連絡しておくから今日から住んでも大丈夫だよ」


よし、とりあえず住む家は決まった、明日からまた頑張らなければ

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