第18話〜【紅一点、紅玉蟹の卵持ち】〜

さて、無事睾丸の実を納品し、大容量の魔法の袋(今まで容量10kgだったのを2倍の20kgの物)を買った次の日、今日は紅玉蟹の卵持ちを探す依頼を受けた、紅玉蟹の生態を思い出そう


【紅玉蟹】

【甲羅がルビーで出来てる個体の大きな蟹、身も美味しく食べがいがあるし甲羅は研磨すればそのまま工芸品として売れるのでとても人気な蟹、日の当たる水場には必ずと言っていい程生息してるので「水面で反射する赤い光を見たら臨時収入」と俗説が出来るほど】

【繁殖期は春、この時期は極稀に卵持ちの紅玉蟹が見つかりその卵も珍味として酒のアテにバッチリな為いつも以上に水面を注視して石に躓いて転んだりモンスターから奇襲をくらい負傷する新人冒険者が出るのも冒険者ギルドの春の風物詩】


と、生態を思い出しながら歩いていると水場に着く


「さって、さて···すぐに見つかれば良いんだけど···」


早速水面に反射する赤い光を見つけたのでそこに近付きコールドスリープ、カチンコチンになった紅玉蟹が浮かんでくる


そして凍っている紅玉蟹をひっくり返しお腹を見る


「む、全部オスか···まあ、冒険者ギルドに買い取ってもらったらそれなりの副収入になるし入れとこ」


と、凍った紅玉蟹を袋に入れる全部で5匹入れて5kg、なんと紅玉蟹一匹で1kgなのだ、まあ、身の量はその半分の500mgなのだがそれでも充分多い


「さて、次···って、ん?岩陰が一瞬赤く光ったような···」


とりあえずその光った岩陰に向けてコールドスリープ


プカーと浮かんできたのはオスの紅玉蟹の2倍の大きさの紅玉蟹


「いや、デカイな、特異個体かなんかか?」


と、近付いてひっくり返して見ると


「お、ビンゴ卵持ちの紅玉蟹だ」


ラッキーである、誰かに見つかる前にさっさと袋に入れる、これだけで袋の内部重量が7kgになった、こいつ一匹で2kgあるらしい


「これで依頼完了か、割と呆気なく終わったな」


と、ちょっと拍子抜けしつつ帰路に着く明日はどっちの依頼を受けようか

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