第15話〜帰還、冒険者ギルド〜
さて、依頼を終わらせて帰ってきたのだがまたもや騒がしいギルド
「はーい!押さないでくださーい!あ!おかえりなさいサハラさん!」
「ただいまです、ユキノさん、この騒ぎは?」
「それがですね···」
と、ユキノさんが説明をしようとした所で
「誰か···誰か、クイーンビーの完全体を持っていないか!?」
と、轟く叫び声
「ん?何故にクイーンビー?」
「えーっとですね、あの方、研究機関の所長さんなんですが何やら若返り?アンチエイジング?の新薬の開発にクイーンビーの完全体が必要らしくてですね」
「この新薬が出来ればうちにまた研究予算が降りるんだ!頼む!誰か持っていないか!?」
「と、言う訳なんですよ、研究機関にとって予算は命の次に大切な物ですから人目も憚らずあの様に叫んでるんですね、ちなみに押さないでと言ったのはあの人を人目見とこうと冒険者の皆さんが集まってるからですね」
「なーるほど、また緊急依頼かと戦々恐々しました」
「はは、あの人は割と名物と化しているんですよね」
しかし、手元にクイーンビーの完全体(凍ってるけど)がある、これは研究機関と伝手が出来るんじゃないか?
「ユキノさん、あの人何処の研究機関の人ですか?」
「えーとですね、街の南側に拠点を置いているトライセル薬研という製薬系の研究機関の人ですね、もしかしてクイーンビー持ってます?」
はい、と言おうとした瞬間グリン!と血走った目がこちらを射抜く、普通に怖いんですけど
「き、君、く、くくくく、クイーンビーの完全体を持っているのかい?」
「え、ええ、まあ、凍ってますけど」
「凍ってる!つまりコールドスリープを使っていると言うこと!つまり足一本の欠損も無い真の完全体!」
「お、おう」
「ン、ゴホン···すまない取り乱した、出来ればその完全体クイーンビー買い取ろう、市場価格は銅貨8枚だが倍の16枚で買い取ろう、どうだい?ん?ん?」
近い近い
「えーと、ユキノさん、これ直接取引しても?」
「ええ、大丈夫ですよ、ギルドはあくまでも仲介業者の様なモノですので直接取引出来るのならそちらでも構いません」
「では、こちらです」
と、袋からクイーンビーの氷漬けを取り出し所長さんに渡す
「お、おお、おおおおお···」
え、泣いてる、大丈夫かこの人
「完っ璧だ···ここまで状態が良いクイーンビーの完全体は久々だ···君、名前は!?」
「え、えーっと、ツルギ·サハラです」
「サハラ村のツルギ君だね!私はタキオン·イオタ、製薬研究機関トライセル薬研の所長をしている!君の様な腕の良い冒険者にこなしてもらいたい依頼がある!聞いてくれるかい!?」
と、興奮気味のイオタ所長をユキノさんが止める
「おっとと、所長さんの依頼はEランクからですよ、この方まだFです」
「そうなのかい!?こんなに腕が良いのに勿体ない!そうだ!うちからしばらく君指名の依頼を出そう!速攻で片付けてくれたまえ!」
と、銅貨16枚が入った袋を俺に渡して氷漬けのクイーンビー完全体を持って颯爽とギルドから帰っていった、犬の女獣人だったから凄い勢いで尻尾が振られて下着がチラッと見えた、白のレースか···意外に気を使ってるんだな···
「···はっ、つい押し切られてしまった」
「アハハ···指名依頼2件目おめでとうございます?」
「ありがとうございます···で、良いのかな?これ」
「まあ、名が売れるっていうのは良いことですから!じゃあ、改めて名前書いたら2番窓口にどうぞ!」
という訳で研究機関からの指名依頼が入る事が確定した指名依頼帰りのギルドであった
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