第5話〜血生臭そうな依頼〜
さて、初日に下水道内部のモンスター討伐という汚れ仕事をこなした次の日、朝飯(縞鮭の串焼き)を食べギルドに向かう
【縞鮭】
【身体にストライプ模様の入った魚体の大きな鮭、塩をかけて焼けば身がふっくらジューシーに仕上がり極上の旨さ、勿論白米にもよく合うが魚体が大きく切り身でもかなりデカイ為それ一切れで満腹になる一切れ銅貨1枚の懐にも優しい大衆魚、ちなみに旬は身にたっぷりと脂のノッた春と身の旨さは落ちるがお腹の中に極上の魚卵を抱えて川を遡上してくる秋】
「お、1番乗りか···?」
ギルド内はまだ閑散としていて冒険者達もポツポツ居るくらいだ
「あふ···っとと、おはようございます!」
「おはようございます受付さん」
「あ、まだ自己紹介してませんでしたね、ユウキ·ユキノって言います!」
受付さん、改めユキノさんは名前の通り透き通るような白い肌のエルフだ
「改めてよろしくお願いしますね、サハラさん!今日も冒険者ギルドにお越しいただきありがとうございます!」
「はは、まだFランクの間に貯蓄しないと安定して生活出来ませんしね」
「ふふ、とても良い心掛けです、では名前を書いて1番窓口付近でお待ち下さい!」
と、言われたので名前を書いて1番窓口付近に向かう
1番窓口付近の椅子に座り周りを見回す、やはり女性冒険者が多い印象だ···
パチン!と言う指を鳴らす音と共に世界が止まり色褪せていき虚空に隙間が出来る
「よっと、お楽しみの所失礼致します、ジョーカーでございます、こちらのリーフサクラの男女比についての補足でございます。」
「こちらのリーフサクラ、男女比は男性1に対し女性は5と、とある観測世界よりは女性に偏っております、と言っても女尊男卑思想なぞ無く互いを尊重しあって生活していると言うのを皆様方の記憶領域の片隅にでも記憶しておいていただくと幸いでございます」
「では、再び時を動かしましょう」
パチン!と再び指を鳴らす音と共に虚空の隙間は閉じ色褪せた世界が再び色を取り戻す。
「ツルギ·サハラさーん!」
「あ、はーい」
と、呼ばれたので1番窓口に向かう
「はい、おはようございますサハラさん、昨日は塩漬け依頼の達成ご苦労さまでした、今日は様々な依頼が残ってますよ」
と言って様々な依頼書を見せてくる受付さん
「オススメの依頼はコチラですね」
と、依頼書を3枚ピックアップしてくれる受付さん
「えーと、香草の採取、ケナガウシの毛刈りと屠殺、紅玉蟹の採取···」
【依頼→香草の採取】
【依頼内容→酒場で出すスパイスワインに使う香草がもうすぐ切れそうですので採取をお願いします、香草の見た目はかなり分かりやすいし群生地もあるので初心者の方へオススメですよ】
【報酬→銅貨2枚、スパイスワイン1杯、昇級ポイント1ポイント】
【依頼→ケナガウシの毛刈りと屠殺】
【依頼内容→家で飼っているケナガウシの毛刈りの手伝いとよく肥えた個体の屠殺を依頼したい、出来れば【短剣適正】か【斧適正】を持ってるとありがたい】
【報酬→銅貨5枚(冒険者ギルドで受け取り)、ケナガウシの毛皮3枚(その場で現物支給、依頼元で買取り、銅貨8枚にする事も可能)、ケナガウシの肉塊2kg(その場で現物支給、依頼元で買取、銀貨1枚にする事も可能)、昇級ポイント3ポイント】
【依頼→紅玉蟹の採取】
【依頼内容→この時期旬の紅玉蟹が大量発生しているので環境保護の観点で20匹捕まえて貰いタイ、紅玉蟹は甲羅は高く売れ身は美味しい一挙両得な獲物だ、早い者勝ちダヨ】
【報酬→銅貨1枚、紅玉蟹20匹(こちらで買い取る事は出来ナイヨ)、昇級ポイント2ポイント】
「この3つがオススメです、補足としまして香草はポーションの素材にもなります、ケナガウシの毛皮は非常に優秀な防寒具や寝具の素材になり肉塊は高級食材です、コッコ屋の店主に頼めばいい火加減で抜群に美味しく調理してくれますよ、紅玉蟹についての補足は特にありません、大量発生しているとの事なので群生地は陽の光が紅玉蟹の甲羅で反射した赤い光で埋め尽くされてることでしょう」
「コッコ屋?」
「街の入口付近で10年以上コッコの串焼きを売ってる老舗の出店です、サハラさんは既に訪れてる筈ですが」
「あー、あのおっちゃんの店か」
「はい、当代のコッコ屋店主は元は街の高級レストランで修行を積んだ凄腕のシェフです、ケナガウシの肉塊も美味しく焼いてくれますよ」
あのおっちゃんそんな凄い人だったのか···うーむ、なら
「じゃあ、このケナガウシの依頼を受けます」
「はい、では受諾前の検査です」
「検査?」
「【短剣適正】か【斧適正】があるかの確認です、短剣適正があれば毛刈りで効率よく毛を刈れますし斧適正があるならケナガウシを苦しませず屠殺出来るので、では冒険者証を預かります」
「はい」
受付さんに冒険者証を渡すと受付さんは手元の魔道具に冒険者証を乗せる、しばらくするとウィンドウが空中に現れる
「ふむ、サハラさんは全武器全魔法適正でしたか、これなら問題なしです」
「では、冒険者ツルギ·サハラさん、依頼【ケナガウシの毛刈りと屠殺】を受諾しました。速やかな依頼遂行を期待します。こちら依頼主の牧場【アルペン牧場】への地図です、お受け取りください」
「はい、確かに受け取りました」
「では、依頼遂行したら冒険者ギルドにお戻りください、もちろん途中で寄り道してきても構いませんからね」
と、言われながら見送られる、さてアルペン牧場へ向かうか
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