【詩】全部、食べました。だけど、本当は……
おじいちゃんは、
私が大好き、と言った食べ物をたくさん、たくさん買ってきてくれた。
大量に、毎日、毎日、飽きもせず?
いいえ。
もういらない、飽きた、食べたくない。
やめて、嫌い、見たくない、助けて、吐きけがする。
幼い私がそう、言っても聞く耳持たないのか、覚えていられなかったのか。
信じられる訳……なかったのか。
結果が変わらないなら。
もったいない、よね?
食べ物も、おじいちゃんの、気持ちも。
おじいちゃんは、戦時中、きっと食べたくても食べられなかったんだろうなぁ。
だから。
子どもを嫌になるくらい、嫌になっても食べさせたかったんだろう。
結局は食べないといけないなら。
もう、黙って食べよう。
感謝しようか。
嗚咽を飲み込みながら、全部、食べてしまおう。
それが、一番幸せなことなんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます