こんな子いたっけ?

ガラガラーー

「はーいみんなおはよう!」

先生の爽やかな声が教室に広がる

「前にも言ってた通り、今から席替えするぞー」

「よっしゃー早くやろうぜー!」

「俺後ろ希望で!!」

男子の元気のいい声が教室の中を飛び交う

「はーい静かにしろー!今からパソコンで前に移すから確認しろー」

みんなの声がしなくなって、視線が前にある大きいテレビに集まる

 



ざわざわ・・・ざわざわ・・・

テレビがついて座席表がパッと写った途端、叫び声が上がった

「うおおおおおおおおおおーーーーーー!!」

「まじかよ最悪、、」

「きたきた!後ろは神!!!」

「んーーなんとも言えねえ笑」

さまざまな感情の言葉がきこえてくる

「えーと5番はどこだー」

僕は自分の番号を後ろから探していった。

「ない・・・ない・・・ない・・・まさか、、、」

全然僕の番号が見当たらない。

とうとう一番前の席まで来てしまった。もうだいぶテンションは落ちているが、見ないわけにはいかないので仕方なく自分の番号を探した。 




ポツーン・・・

僕は、気づいたら教卓の前の席に座っていた。そうまさかの一番最悪な場所を引いてしまったらしい。

「まじか・・・あ、てかヒロムは?」

ヒロムを探すために僕は後ろを振り向いた。

「ヒロ・・・・」

後ろを見た瞬間、顔がぐちゃぐちゃになりそうなくらい笑っているヒロムが一番うしろの席から嬉しそうに手を降っているのが見えた。

(あいつ、ズルすぎだろ)

近くに仲のいい友達もいない、今回の席替えは積んでいた。

「あーあ、まじかよー」

僕は独り言を言いながら、いつもの寝る体勢に入ろうとしたその時・・・

「そんな今の席嫌なの??傷ついちゃうよ私」

隣から声がした。僕は声が聞こえてきた方を急いで見た。

そこには、風に煽られて髪がサラサラ~となびく女の子がいた。

「まあ、嫌でも無理もないよね笑 あ!私 吉高 ゆきなっていうの!

よろしくね!」

なんとも可愛らしい子だった。嫌な顔なんか1ミリも浮かべないで、僕から見えるのはキラキラ輝く笑った笑顔だった。

少しの間、ついその子に見とれてしまって声が出なかった。

黙り込んだ僕を見て、首を横に傾げるゆきなさんをみてある違和感に襲われた。



あれ、こんな子いたっけ?


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