第6話
市立東国山学園高等学校。
幼稚舎から大学部までエスカレーター式の超マンモス校で、その内中等部と高等部は全寮制。
在籍するほとんどの生徒が初等部からの持ち上がり。
所謂お金持ちと呼ばれる類の人間が必ず入学を考えると言われている学校が俺の通う学校だ。
「とーまー」
士郎たちと一緒に始業式が行われる第一ホールに移動すれば、入り口にいた友人に手を振られる。
元より士郎たちとは入り口で分かれる予定だったためちらっと視線をやると、いけと目で合図された。
それに頷き、またね。と微笑むりづさん達に軽く手を振って足早にクラスメイトの元へ。
「由良ー、でかい声で俺を呼ぶな。目立つ」
「あれ? こっちきて良かったん?」
「元からこっちくる予定だった。
士郎たちと一緒にいたら変に悪目立ちするし」
「一年経つけどお前と士郎さんたちの組み合わせっていつ見ても異様だよな」
1人だけ体格違いすぎ。と笑いながら髪をぐしゃぐしゃにされて、うるさいわ。とその手を払い除ける。
怒んなよーと言う友人第一号の快斗(かいと)に、じゃあ怒ること言うなと軽く睨む。
その横で友人二号の由良(ゆら)はケラケラ笑っている。
俺が小柄なのは認めるけどあの人らが規格外なんだ。あんな人らと比べられるのはたまったもんじゃない。
全員180以上身長あってイケメンとか前世でどんな徳積んだらそんなんで生まれてこれんの?
「なんか考えたら腹立ってきた。
意味もなく殴りたい気分だわ」
「へぇ、やってこれば?」
「阿呆。俺は後80年生きる予定だ」
早死には良くないよ。
馬鹿みたいな会話をしつつホールの中へ。
人でごった返している中はざわざわと騒がしく、右から綺麗に整列している列が五列続き、一番左側にごっちゃごちゃな集団を見つける。
あれで多分本人たちは整列してるつもりなんだろうなと呆れながら自分もそちらの列に足を進めた。
その途中、他の列の人間から視線が向けられ、ひそひそと言葉が飛び交う。
内容は聞こえないが良いものではないであろうことが視線でわかった。
耳に入れる程でもないなと、完全に遮断する。
血の気の多い他が黙ってればいいけど。
「…毎年こんな感じ?」
あからさますぎる視線に歩きながら友人達に問えば、「まぁな」と肯定される。
「今まで行事も全部合同じゃなかったし、そもそも顔合わす機会ねぇからな。
物珍しさが勝ってんじゃね?」
「直接言ってくる度胸のある奴も少ないけどねー。言ってきそうな嫌味なA組は一番端の列だしぃ」
ほぉん。そんな感じなんだな。
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