第17話普通の少女桜子、魔法祭に出る。

今日は、ついに、魔法祭当日です。

ここ二週間は、シオンとの特訓の日々だった。さて、この特訓がどう、生かされるか。

ふふふ。しかも、今日の、シオンはいつもと、一味違うぜい。ふふふふふ。笑いが止まらないぜ。

「相変わらず、笑い顔が怖いですわね。」

あ、アキヒメ。やっほー。って!怖いってなんやねん。怖いって。結構、うまく笑えてる気がするんだけど。

「おはようございますですわ!サクラコさん。今日は負けませんですわ!その顔を負けて悔しくて、泣き顔にして見せますわ!」

なんか、魔法戦士が絶対に言わなそうな言葉で煽ってくるな。魔法戦士見習いにあるまじき発言なんじゃ、、、

「ところで、シオンさんは、どこに?」

よくぞ、聞いてくれた!ふふふ、見て驚くなかれ!

「多分、そろそろくるころじゃない?」

すると、向こうから女子の塊がやってきた。

「な、なんですの?この女子たちは!」

「やっほー。シオン。ちゃんと、セットしてきた?」

「シオン?!」

「サクラコさーん!おはようございます!」

女子の塊の中心から、声がして、女子が引いたかと思ったら、その中からワイルドイケメンが出てきた。

おお、きれいー。バッチリだね。

今日のシオンは、前髪をポンパドールにして、後ろをハーフアップにしている。

かっこいい顔をキープしていたのが、私の顔を見て安心したのか、へにょっとした顔になる。

「サクラコさん。なんか、、、じょ、女子が、、、めっちゃ、、、喋りかけてくるぅー!」

やっぱ、イケメンだけど、喋るとシオンだし、もう、見慣れてるから、なんとも思わんな。

あ、でも、アキヒメは、この姿のシオンと会ったことなかったっけ。そりゃ驚くわ。だって、今のアキヒメ、鳩が豆鉄砲をくらったような顔してるもん。

シオンはシオンで私に助けを求めてるし。

「アキヒメ、ちょっとシオン、助けてくる。」

「ああ、いってらですわ!」

アキヒメに「また後で」と別れを告げ、シオンを助けにいく。

「しょうがないなぁ。」

私は空気。シオンも空気。空気、空気。

女子の群れをうまくすり抜けて、シオンを連れ出す。

「あれ?シオンくんいなくなってる、、、どこ行ったんだろう?」

存在感がない、私だからできることだ。本気を出せば周りの人も見えなくさせることもいける。小さい頃は、これで、いたずらしたこともあったなぁ。まさか、こんなところで役に立つとは、、、

「大丈夫?シオン?」

「ありがとうございます〜!サクラコさん!助かりました!あの人たち、僕を見るなり、こっちに喋りかけてきて、、、怖かったです、、、」

「おー。よしよし。」

シオンを慰めながら移動する。とりあえず、教室に行くか。ここよりは安全だろ。

「さーくちゃーん!おはよーなのー!」

教室に入るとシンクが飛びついてきたので、サッと避ける。

ドゴーン!

あ、勢い余って壁にぶつかった、、、まぁ、シンクなら大丈夫だろ。

「今日は、先に行くって言ってたから1人で来たけど、危うく迷うとこだったよー。」

そうなのだ。三人もペアの人と話し合いがあったので、先に行っていたのだ。私は危うく、迷ってこられないとこだったのだ。、、、のだ。

「無事にこられてよかったな。今日は、魔法祭だ。俺も本気を出していくから桜子も、頑張れよ!」

「僕も、マリンとはすっごく仲良しになりました!」

なぜか、裏がありそうな気がするのは、私だけなのか?

「うん。私も優勝を狙うよ。シオン、頑張ろうね。」

そう、シオンに声をかけると、、、

「あ?お前、シオンだったのか?!」

マリンが、驚いたようにこっちに来た。

う、この前、マリンのこと見捨てたから、良心が、、、痛まないか。うん。痛むかとおもったけど、そんなでもないな。無事でなによりだよ。

「えー!おまんさん、シオンなんか?!びっくりしたわぁ。ほーん。別人やなぁ。」

「驚き桃の木山椒の木、です。」

2人して、じっくり見ないであげて。シオンがびっくりして、固まってるから。あ、ほらー。マスクつけ始めちゃった。

「ぐー。」

で、相変わらず、イエロは寝てるね。あれ?なんか、ボロボロでクマができてる。なんでっだ?

「最近、シンクが構いすぎて、イエロ、ボロボロなんですよ。休み時間はずーっと追いかけっこしてるから、寝てる暇もないんですよね。」

ああ。かわいそうに、、、シンクに見つかったのが運の尽きだな。ご愁傷様。オッペケペー、なんちゃって。古いか。この曲、ベニとシンクとアカネが好きなんだよね。って、そんなことどうでもいいんだよ。

「俺は、最初から、分かってたけどな!」

「まぁ、髪の色ですぐわかりました。」

「シーくんは、最初からかっこよかったのー!」

三人は分かってたみたいだ。さすがだね。

魔法祭が始まるまであと、10分か。そろそろ、今日の作戦について確認しとこうかな。

「シオン、今日の体調は、大丈夫?」

「はい、とてもいいです。」

シオンが笑顔で答えてくれる。うおっ。破壊力すげえ。

「今日は、私が主に頑張る。シオンが応援。あとは、サポートかな。でも、武道勝負に関してはシオン、シオンが頼りだよ。ぶちかましたれ!」

「はい!」

うん。やる気に満ち溢れてる。よかった。緊張してなくて。いや、緊張してるか。それを隠してるんだよね。でも、やる気は、ある。優勝したいと言う気持ちは、ある。あとは、やるだけ。

「よーし!勝つぞー!おー!」

「勝つぞ!よし!」

やる気は、十分!そして、魔法祭への幕は開いた。

「今日は、魔法祭です。全力を尽くして、頑張ってください。」

ミソラ先生の挨拶の後、学園長(ぬいぐるみ)が始まりの挨拶をする。

「あーあー。よし。今日は待ちに待った魔法祭じゃあ!みな、優勝に向けて頑張るのじゃ!それじゃあ、魔法祭、開始じゃあ!」

「おー!」









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