第5話普通の少女桜子、(自称)ライバルができる。
「なにやら、外が騒がしいですね。」
「桜子に用があったりして!」
「まさか。そんなわけないでしょ。私何もしてないんだよ?」
その時足音は私の教室の前で止まり、、、
バゴーン!
と、凄い音で突進してきた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「ぎぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
いや、お前も驚くんかい。叫び声が可愛くない!
教室にいたクラスメイトの叫び声に驚いている謎の女子。こいつは一体だれなんだ?絶対、普通じゃない!関わりたくない!
「この中に、サクラコさんはいらっしゃいますか!」
え、私ぃ?!本当に私に用事だった。絶対、めんどくさいやつだ。私はくう、、、
「桜子はここだぞ。」
ぐいっ。あ、ベニ!また余計なことを。
「きゃあ!ベニ様!アカネ様にシンク様まで!ごきげんよう!今日も美しいですわね。」
なんだこいつ。こんな変なやつ関わらない方がいいに決まってる。普通じゃない!
よし。私は空気。私はくう、、、
「あ、さくちゃん消えそう!消えないでー!」
ぐほぉ!
「シ、シンク、突進しないで、、、くるしい、、、」
「あら、そこにいたのね!あなたがサクラコさんかしら?」
見つかった、、、
「はい。私が桜子です。」
「ふーん。あなた、、、存在感が、ないわね!」
ガーン。気にしてるところを!
「まぁ、いいわ。私はあなたに宣戦布告しにきたの!」
「はぁ。」
「、、、あなた、表情が変わらないわね。もっとなんかないの?」
「表情が変わらないのは元からです。テンションが低いのも、元からです。」
「つまんない人ですわね。ますます、もったいないわ。サクラコさん!あなたはこの三人とチームを組むのにはふさわしくありません!」
「どゆこと?」
「さっきから、ずーっと見ていましたが、あなた、魔法戦士になるのに大事なことが欠けています!」
「さっきからずっと感じてた視線はお前か!」
さっきの勘はあってたんだ!無視するんじゃなかった、、、
それより。
「私に欠けてるもの?そんなのあるの?」
「時期にわかりますわ。それがなくてはあなたは一生魔法戦士になれません!」
うわぉ!めっちゃはっきり言われた。ますます、なんだこいつ。
「絶対に魔法戦士になれないはずなのに、、、なのに!あなたうらやましすぎるんですのよ!こんな美形の三人と一緒にいるのに!絶対、その席を奪ってみせますわ!」
「そんなこと言われても。三人は家族だし。」
「むきぃー!そんなんだからダメなんですのよ!家族だなんて!うらやましい!」
こいつ、本音を隠す気ないな。ダダ漏れなんだけど。
「あなたとわたくしはこれからライバルです!四人目の戦士の座をかけて戦いましょう!」
ライバルゥ?!ええ、嫌だなぁ。ここで「そうだね!正々堂々戦いましょう!」とか言えたらそれはそれは主人公っぽいんだろうな。欠けてるって、このことなのかも。
「わたくしの名前はアキヒメ!この名前を覚えてらっしゃい!」
ダダダダダダー!
帰って行った。アキヒメか、、、なんか、米みたいな名前だなぁ。
「なんか変なやつだったなぁ。妙に素直で、でも、お嬢様口調で、ライバル宣言して帰って行った、、、」
「そうだね。まさか、学園長のお孫さんがあんな感じだとは。想像つかなかったよ。」
「あれが、学園長の孫なの?!」
まじか。私、学園長の孫の変なやつにライバル宣言されたんか。アキヒメ、もう来ないでくれ〜!
私は強くそう祈るのだった。
が!結構すぐにアキヒメはやってきた!
バゴーン!
「失礼いたしますですわ〜!」
ドア、壊れる、壊れるよ。昨日ライバル宣言してきたのにもうきたのか。早くに来すぎて、まだ、生徒が一人もいないくらいなのになんで、いるんだよ。今日も朝からジェットコースター並みの移動をして、クタクタなのにまじかぁ。
「どうしたの?なんかよう?」
「桜子さんはどこにいらっしゃいますか?!」
あー。また、見えてない。でも、まあ、いっか。ほっとこ。
「アキヒメさん。おはようございます。桜子さんの見つけ方を教えましょうか?」
え?そんなのがあるの?私も初耳なんですが。
「あら、アカネ様!おはようございますですわ!今日も美しいですわね。サクラコさんの見つけ方?そんなのがあるんですの?」
「桜子さんはね。そこにいると思い込んで探すと見つけやすくなるよ。ほら、あそこ。」
「ありがとうございますですわ!やってみますですわ!」
いや、え?いやでも、見つけられるわけが、、、
「あー!いましたわー!おはようございますサクラコさん!」
まじか、本当に見つけられちゃったよ。このこ、実はもしかしてすごい?
「おはよ。どうしたの?」
「サクラコさん!勝負ですわ!」
「、、、いきなりなに?」
「相変わらず真顔ですわね。ちょっと、怖いですわ!(ビシッ)」
微塵も怖そうじゃないんですが、、、
「今日ある、自分のクラスを決める試験で、どちらの方が上の成績を取れるか勝負ですわ!」
相変わらず、元気だなぁ。昨日会ったばかりだけど。いやいや、それよりも、、、
「自分のクラス?ってなに?」
「あら、そんなことも知らないの?なら、特別に教えてあげますですわ!」
オーホッホッホ!と笑うアキヒメ。
元気すぎないか?あと、言い方腹立つ。
「クラスとは!三十段階ある、魔法戦士のレベルの高さのことですわ!下からスタークラス、ミラクルクラス、マジカルクラスとあって、それぞれ、十段階ずつにわけられているんですわ!」
「へぇー。そんなんがあるのか。」
ちょい。そこで、遊んでる三人!そこだよ!そこの三人!
あの三人、そういう情報、全く教えてくれなかったんですけど。ちゃんと教えといてくれよ!
その時、後ろからガバッとシンクが抱きついてきた。
あれ?!いつのまに、そこに?
「今日、ちょうど、そのクラスを決める試験があるの〜!楽しみなの〜!ねっさくちゃん!」
「シン、、、」「シンク様〜!」
きゃー!と黄色い歓声をあげるアキヒメを相手しながらこっそりと私に耳打ちしてきたシンク。
「クラス試験は、絶対しないといけないし、せっかくだから勝負してみたら?その方がおもしろ、、いや、楽しいと思うの。」
なんか、面白がってません?まぁ、シンクがこう言ってるし、やってみるか。
「いいよ。やっても。」
「ほんとですわね!女に二言はないですわよ!」
その瞬間、今まで話を聞いていた、ベニがとんでもないことを言ってきた。
「なら、俺たちとも、勝負しようぜ!」
ええ?ベニ達とも?でも、ベニ達は現役でしょ?勝負にならないんじゃ。
「きゃー!ベニ様!今日もかっこいいですわ!」
アキヒメは、歓声を上げて、ベニを褒めたが、でも、、、と言葉を続けた。
「ダメですわ。ベニ様達とは勝負しません!」
「お断りですわ!」と手をバツにするアキヒメ。
ええ?!意外!アキヒメなら、「きゃー!嬉しいですわ!」とか、言いそうなのに。
「なんでだよ!いいじゃねぇか!」
「ダメですわ。これはわたくしとサクラコさんの勝負。他者が入っては無粋ですわ。それにあなた達が入ったら勝負になりませんわ!圧勝するでしょ!現役の魔法戦士に勝てるわけありませんわ!」
「まぁな。そりゃぶっちぎりで優勝してやるよ。」
そりゃそうか、三人は現役の魔法戦士だもんな。ん?そう言えば、、、
「なんで、三人が現役の魔法戦士ってこと知ってんの?」
その瞬間、三人がハッとしたように気づいた。緊張がはしる。答えによっては記憶を消さないといけないかもしれない。ていうか、三人とも、今気づいたんかい!ちょっと、ぬけてんなぁ。
「あぁ。それはですね、わたくしのおばあさまに教えてもらいましたの。」
「おばあさまって、学園長のことですか?」
学園長、女の人だったのか。
「そうですわ!おばあさまは三人のことをよく酔ったときに話していましたからね。この前、今年は三人の仲間になる新しい四人目の魔法戦士の子がこの学園に入ると口を滑らせていましたから。」
が、学園長、、、だめじゃん!そういう情報は秘密なのに!
「あの、アホがぁ!孫に筒抜けじゃねぇか!」
「もう、二度とあいつには喋りません。」
「絶対、次会った時、ボコボコにするの〜」
うわ。三人がちょー怒ってる。学園長、自業自得です。ボコボコにされてください。
「おばあさまから聞いていて気になって、見てみたらこんなに美しい人達だったなんて!びっくりしましたわ。一気に四人目になる人、サクラコさんが、羨ましくなってつい、押しかけてしまいましたの。」
照れるようにウフフと笑うアキヒメはそれはそれはかわいくて、これで私負けたら、アキヒメのほうが四人目の戦士にふさわしいんじゃないかと思った。そのくらい、アキヒメの顔は可愛い。三人と並んでいても大丈夫なくらい可愛いかった。
「とにかく、そのことは秘密にしてね。お、ね、が、い、ですよ。」
ニコッとアカネが、笑う。
「はうっ」
顔を真っ赤にして首をブンブン縦に振るアキヒメ。
あれ、絶対、自分の顔の良さをわかってやってるよ。すごいな。
「わかりましたわ。それじゃあ、サクラコさん。また、後でですわ。勝負忘れないでくださいまし。」
帰って行った、、、嵐みたいだったな。
「ちぇ。勝負したかったの。あいつの孫なんだからどんな力量か知りたかったの。」
「まぁ、しょうがないよ。諦めて、この三人で勝負しよう。」
「そうだな。お前らなら手加減なしで、戦える!」
「楽しみだな!」と、喜んでいるベニが笑顔なもんだからちょっと、ちょっとだけ、可愛く思った。
バチン!
「どうした?!顔叩いて!」
「いや、ちょっと、自分を引き締めてて、、、」
可愛く思ってしまった、、、悔しい!イケメンめぇ!
「今日の試験って、どんなことやるの〜?」
「それが、よくわからないんですよね。」
よくわからない?ってどういうこと?
「試験の内容は毎年ランダムで発表されるから俺たちも知らされてないんだ。」
うわぁ。やばそうな気がする。って、そうだ。私、聞いときたいことがあったんだった。
「ねぇ、三人に聞きたいことがあるんだけど。」
「ああ、それはね、、、」
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