一休生活

一休トキオ

【変人のサラダボウル】フツーに面白いというスゴさ

 変人のサラダボウルというアニメが昨年春にありました。

 このアニメ、フツーに面白いコメディアニメで良作なのでお薦めしたいです。

 内容としては、異世界のハイスぺな女の子が、現代日本(何故か岐阜)にやってきてその街に馴染みつつドタバタするという、よくある男の子が異世界に行く転生モノの逆とでも言いましょうか。

 そもそも異世界転生作品でよくある俺ツエーでハーレムする話は、藤田まことの時代劇なんかとやってることは同じで、大体の展開が主人公がチヤホヤされて気持ちいいばかりで特に面白がるポイントが私にはないのですね。外では悪を成敗するヒーローなのに、家に帰ればデキた奥さんと可愛い娘が迎えてくれる藤田まこと演じる主人公。そんなご都合主義のロマンはいつだって男に刺さるのでしょう。

 話を戻しますが、サラダボウルの異世界女子はたしかに異世界女子でツエーんですが、現代日本に適応するためにあくまで普通の暮らしをしていくのですね。というか、もはや普通以下の暮らしをしてたりもするんですが、いたってマイペースで、一般人にはなかなか起きないようなチャンスすら掴んでしまいます。その様子を見ていると、生きるってこうでいいんだよな本来、なんて励まされている自分がいます。

 生きるうえで、あれこれ無駄なことを考えたり、他人と比較したり、あるべき姿であらなきゃいけないと勝手にわざわざ定義しといて余計な足掻きをしてみたり、ストレスを積極的に増やしてばかりいる必要なんてないわけですね。もっと楽に、目の前のことだけ見て暮らせばいい。衣食住があって毎日暮らせているのなら、その生活を自虐することはない。シンプルに今から地続きしていくのが未来というだけで、毎日の暮らしをただやっていれば未来とは自然とついてくる。もし将来辿り着きたい行き先があるのなら、そこへとりあえず一歩ずつでも進んでいってみるだけで良い。のですな。難しく考えない。適度に馬鹿でいるほうが幸せに生きられるというライフハック。

 変人のサラダボウルって、そんな当たり前の摂理をコメディドラマのなかでしれっと教えてくれる感じがあるのです。全く説教臭い話じゃなく、ドタバタの笑える話です。萌えとかエモとか抜きで日常話をやることって、ありきたりではあるけど、そんなありきたりを法則通りにしっかりやって面白くするのは、すごく難しいはず。そのフツーな面白さをあっさりとやっている変人のサラダボウルって只者じゃないぞという気がしてくるのです。

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