第9話  「ごちそう」

「おめでとうございます!」

この日、私のお腹に命が宿ったことがわかった。

.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.

ガチャッ

「Aくんただいまー!」

夫には病院に行ったことも内緒にしていたので、これからサプライズで報告するつもりだ。

「おかえりー!ご飯もう出来るからなー!」

「わー!ありがとね!」

優しくて料理上手で最高の夫だけど、一つだけ気になるところが...

「ねぇ、この蟻はなに、?まさか...」

「あー、さっきベランダで見つけたやつ。後で食べてみるよ」

夫には色々な生き物を食べるという趣味があった。

.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.

「あのね、実は今日病院へ行ってきたの」

「検査して、お腹に赤ちゃんがいることがわかったんだ」

「え...!」

「やったー!生まれたらご馳走だな!」

夫も喜んでいる様子だった。

.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.

カタカタカタカタ

その日の夜、夫は遅くまでパソコンで調べ物をしていた。

スタッ(ベッドから降りる)

夫がトイレに行った際に、こっそり覗いてみると

【赤ちゃん 肉】と検索していました

「(赤ちゃんにお肉はちょっと気が早いかなぁ笑)」

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〚 解説 〛

赤ちゃんを授かった主人公は、夫にサプライズで報告をしました。

すると、夫は赤ちゃんの誕生が待ち遠しいようで、夜な夜なパソコンで調べ物をしていました。

主人公がこっそり検索画面を見ると、「赤ちゃん 肉」と調べていました。

生まれて直ぐにお肉は食べられないのに、気が早いなぁと微笑む主人公でしたが、嫌な予感がしますよね。

夫の趣味は、色々な生き物を食べることでした。

つまり、のでしょう。

「生まれたらご馳走だな」

この言葉の聞こえ方がガラッと変わりますね。

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