第9話 「ごちそう」
「おめでとうございます!」
この日、私のお腹に命が宿ったことがわかった。
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ガチャッ
「Aくんただいまー!」
夫には病院に行ったことも内緒にしていたので、これからサプライズで報告するつもりだ。
「おかえりー!ご飯もう出来るからなー!」
「わー!ありがとね!」
優しくて料理上手で最高の夫だけど、一つだけ気になるところが...
「ねぇ、この蟻はなに、?まさか...」
「あー、さっきベランダで見つけたやつ。後で食べてみるよ」
夫には色々な生き物を食べるという趣味があった。
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「あのね、実は今日病院へ行ってきたの」
「検査して、お腹に赤ちゃんがいることがわかったんだ」
「え...!」
「やったー!生まれたらご馳走だな!」
夫も喜んでいる様子だった。
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カタカタカタカタ
その日の夜、夫は遅くまでパソコンで調べ物をしていた。
スタッ(ベッドから降りる)
夫がトイレに行った際に、こっそり覗いてみると
【赤ちゃん 肉】と検索していました
「(赤ちゃんにお肉はちょっと気が早いかなぁ笑)」
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〚 解説 〛
赤ちゃんを授かった主人公は、夫にサプライズで報告をしました。
すると、夫は赤ちゃんの誕生が待ち遠しいようで、夜な夜なパソコンで調べ物をしていました。
主人公がこっそり検索画面を見ると、「赤ちゃん 肉」と調べていました。
生まれて直ぐにお肉は食べられないのに、気が早いなぁと微笑む主人公でしたが、嫌な予感がしますよね。
夫の趣味は、色々な生き物を食べることでした。
つまり、生まれてくる赤ちゃんも食べてしまおうと企んでいるのでしょう。
「生まれたらご馳走だな」
この言葉の聞こえ方がガラッと変わりますね。
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