第57話 想定外の新要素
相変わらず山の中の「城下町」ではダークドラゴン達がせっせと「石」や「岩」を運んでいたが、それをすり抜けて設備が集められている作業部屋へ移動。「かまど」、ではなく、種類別の「溶鉱炉」を探した。ついでなので大量の「水」も持ってきている。
「水」は「超高速圧縮機」にまとめて放り込み、恐らくこれではなかろうかとあたりを付けた設備の名前は「超高速結晶精製機」。「溶鉱炉」ではないが、燃料を使う設備ではあるから「かまど」からの派生ではある。
実際そこに「乱反射する鏡岩」を持って行ったらセットできたし、ついでに他の作業枠で色々試してみたら、なんと宝石と「魔法の砂」を使う事で、他のゲームではよくある感じの「魔法の効果がある宝石」を作る事が出来る、という事が判明した。
『……何を作っているのだ?』
「持ち運びやすくてたくさん物が入る不思議な入れ物ですね。今度出てきた「
『また俺様が入れない「泡沫の洞」か。いい加減狩りをしたいものだ』
「狂信者に言ってください」
そうやって、ある意味宝石を作っていると、何を察知したのか竜王がやってきたが。いや、本当に何で分かったんだ。ドラゴンの勘怖いな。
ヘイトを狂信者に向けて竜王を作業に戻らせ、今度は先に出来上がった宝石のカッティングを試す。なお色々試した結果、金属の砂と「ガラスの塊」と「魔法の砂」でも宝石が作れる事が分かった。もちろん完全新規素材なので、試行錯誤が必須だ。
とはいえ、それなりの数と種類のカッティングを試したところで分かったのは、宝石には種類ごとに最も輝くカッティングというのが決まっていて、それは過去のシリーズと同じだと言う事だ。これは助かる。
「まぁ完全新規の場合はそこから手探りな訳なんだが」
たとえば今作っている「複層再生結晶」とかな。そもそもの材料が鏡岩という完全に未知のものだし。ガラスならクォーツ(水晶)になる筈で、その場合は基本が球体だ。水晶玉ってやつだな。もちろんそこから更にカッティングを施したり、ものによっては彫刻を作ったりするが。
一方であのきらきら具合からオパールに近いのであれば、オーバルカットやカボションカットと言った丸い感じのカットが最適となる。……が、鏡だからなぁ。鏡岩、というのは初めてだが、確かどこかの特殊クエストで、装飾品に鏡を模した宝石を使いたいとかで、鏡っぽいカットの宝石を作った覚えがあるんだよな。そっちという可能性もある。
先に作った小さい「複層再生結晶」を前にしばらく考え。
「まぁこっちは実験に使ってもいいか」
その、鶏の卵より少し小さいぐらいの結晶を、4つに割る事にした。これで球体と、カボションカットと、文字通りの呼び名であるミラーカットと、ついでにダイヤモンドに最適なラウンドブリリアントカットを試せる。いやほらきらきら具合からあれもあるかなと思って。
という訳で作業開始。宝石としては結構大きいし、母岩の中から取り出して綺麗な場所を探すって作業が無いなら楽なもんだ。ただ形を整えればいいだけなんだから。作業台も最上級だし。おー、それこそ魔法みたいにするする削れて形が出来ていく。
あっという間にきれいな宝石らしい形になった4つの「複層再生結晶」を持って移動するのは、これまた珍しい、物の性質や属性を調べる設備である。もちろん下位互換の方は(壊れていたが)回収済みで修理待ちだ。
「……なるほど。転移にも倉庫にも使えるんだから、目的によって最適な形が違うのは、まぁ当然の事か」
結果分かったのは、転移系の道具に使うなら球体、倉庫として使うならミラーカットが最適って事だ。それはそうか。ただ目的によって最適なカットが変わって来るって言うのはクォーツ(水晶)に近いから、やっぱ基本ガラスなんだろう。
で、ちょっと意外だったのはラウンドブリリアントカット。これは驚いたことに、武器にはめ込めばその攻撃力を上げる事が出来るらしい。そうなの? いや確かに「魔法の砂」を使って再結晶化した宝石にはちょいちょいあった効果だけど、お前もそっちなの?
……これ、カットの時に出た細かい欠片と「魔法の砂」で再結晶化したらどうなるんだ? ちょっと試すか。
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