第6話 学年1の美少女

 俺は数10人の女子に案内を受けながら(場所は知っているのだが)、2年1組の教室前に到着する。


「ここだよ! 」


 1番初めに校内で俺に声を掛けた女子が、2年1組の教室の戸を指差す。

 

「うん! 助かったよ。ありがとう」


 俺は白い歯を見せて笑顔で感謝を伝える。


「っ!? は、はい〜。どういたしまして〜〜」


 先ほどの反応とは異なり、顔を真っ赤にして恥ずかしそうに俺から視線を逸らす女子。また違う反応が見られた。


「みんなもありがとう」


 俺は残りの数10人の女子達にも同じように感謝を伝える。


「っ!? と、とんでもございません〜〜」


 感謝を受けた女子達も顔を真っ赤にして照れた。


 俺は女子達の反応を見届け、2年1組の教室に足を踏み入れる。


 ズイッ。


 先に登校していたクラスメイト達の視線が俺に集中する。男子も女子も関係がない。特に女子からの視線が熱い。


 俺は周囲の注目に高揚しつつ、平静を装いながら、1ヶ月前に使っていた自身の席に向かう。席替えをしてなければ間違いなく、場所は変わってないはずだ。


 一方、クラスの中でも一際に目を引く女子が存在左する。


 相澤静江。


 亜麻色のロングヘアにオレンジの瞳、乳白色のシミ1つない肌、制服越しにも異性を惹くナイスバディが特徴的な超絶美少女。

 

 入学して間もない頃から学年1年の美少女と呼ばれていた。


 噂では何人も男子から告白を受けているが、全て断ってるらしい。


 そんな相澤が自身の席に座りながら、俺の方をジッと凝視する。相澤からの視線が特に熱い。


 相澤は我慢の限界が来た様子で自身の席から立ち上がり、教室を歩き始める。

  

 相澤の向かう先には俺の席があり–––。


「ね、ねぇ。ちょっといいかな? 」


 相澤が恥ずかしそうに勇気を振り絞った顔で頬を赤く染めながら俺に尋ねる。


 おぉ〜〜。あの相澤が俺に恥ずかしそうに声を掛けてる。頬を赤く染めている。


 今まで見たことのない相澤の顔だった。


 明らかに俺に惹きつけられている表情だ。一見して簡単に分かる。


「いいよ。どうしたのかな? 」


 こっちも相澤の美しさと可愛さに惹きつけられつつ、冷静さを欠かずに落ち着いた態度で接する。


「そ、そう。ありがとう」


 相澤はコクコクッと頭を縦に振り、感謝を口にする。そして、困ったように視線を彷徨わせる。


 どうしたのだろう? 何か困ったことでもあるのだろうか?


「おぃ〜す!! 今日も登校してやったぜ!! 」


 俺と相澤に視線が集まる状況の中、同じクラスの西田が教室内に元気よく登場してきた。


 俺の元カノを奪った学校最強のイケメンが。

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