第21話『重なる想い』
帆は張られていた。
でも、風は受けていなかった。
カザリが首元の藍晶石に手を添えた。
視線は空でも海でもなく、帆の布を見ていた。
「……こうも風がなくちゃ、一向に進めない。風よ、来てくれ」
その声に反応したのは、祈りだった。
スイウの翡翠が光った。
タネリの琥珀が光った。
サクナの銅葉石が光った。
カザリの藍晶石も、同じ瞬間に光った。
誰かがかけらを近づけようと言ったわけじゃない。
ただ、動作が重なった。
四人は誰が言うでもなく光が重なった。
その瞬間、風が吹いた。
布が膨らむ音が一度だけ鳴った。
水面が少しだけ押されて、海に道がひらいた。
船は進み始めた。
スイウ「祈りが届いたのか?」
「でもここって焔舞節のあたりだよね?」タネリも不思議そうに返事をする。
サクナ「ここでは精霊の力は使えないはずだけど、不思議ね。」
カザリ「里の長老なら何かわかるんじゃないか?俺らがここでとやかく言ったからってわかることじゃねえよ。」
タネリ「そうね。進むしかないわ」
サクナ「しかし焔舞節のあたりは熱いわね。海でも熱いわ。さすが灼熱の大地」
カザリ「この風が吹いていてくれるならあと一日ぐらいで焔舞節抜けられるんじゃないか?陽綴節にも港だったり漁村があれば助かるんだけどな。」
スイウ「とにかく進もう。」
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