季節を編むもの

鐘崎那由他(かなざきなゆた)

プロローグ

「季節を編むもの」

この世界には八節に分かれた季節があるという。ある種の言い伝えだ。 これは起源節の頃に分かれたらしい。今からはわからないぐらい昔のことだそうだ。 長老が言うにはもう300年ぐらい季節が変わっていないらしい。 ただ、季節が固定化されたことで八節のうち三節は人が住めぬ大地となったという。 季節を動かすためにはその節を除く4カ所の「精霊のかけら」が必要らしい。

ここ緑命節には翡翠が精霊の力を宿す宝玉を担っている。 他の節域でも同様に鉱石や宝石が宝玉になる。 スイウは翡翠を持って旅に出るように、長老から命じられた。 この旅は過酷だと。300年余為せなかった季節の均衡を取り戻す前人未踏の旅になるという。

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