《黒曜の王》〜最強の男と600人の美少女たちによる異世界裏帝国〜

@naririru

組織編成 編

第1話「傭兵は死に、影は生まれる」

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死体の山を背に、如月レイジはライフルを下ろした。

呼吸は静かで、吐き出した煙草の煙が死臭に溶ける。


「……ミッション完了。あとは処理班に任せろ」


仲間の死を悼む素振りもない。

自分を“最強の傭兵”などと呼ぶ者は多かったが、彼にとってはどうでもよかった。

与えられた任務をこなし、必要な女と抱き、適当な金を手にして消える――それが彼の生き様だった。


だが、その瞬間。

上空を旋回していた無人機が、爆ぜた。


「……ッ!」


閃光。耳が千切れるような爆音。

次の瞬間、彼の肉体は地面へと叩きつけられていた。


「――終わりか。まあ、悪くない幕引きだな」


意識が薄れていく中で、レイジは微かに笑った。

だが――次に彼が目を覚ました時、そこは見知らぬ場所だった。



全身を包むのは石造りの冷たい床。

天井は高く、燭台の火が揺れていた。


「……異世界か」


状況を察するのは早かった。

この世界の空気は、銃火器の焦げた匂いとは無縁で、魔力と血の気配が入り混じっている。


傍らには、ひとりの少女がいた。


「よかった……気がつかれたんですね」


年端もいかない少女。ボロ布のような服を着て、痣と傷にまみれていた。

だが、その瞳には芯のある光が宿っていた。


「あなた様が現れてくださると、夢で視たのです……“この国を裏から支配する影”が、現れると」


その瞬間、レイジは確信した。


この世界は――

腐りきった表を、影から壊すべき世界だ。



少女の名はミラ。

元は名門貴族の令嬢だったが、政争に巻き込まれて一族は粛清。

現在は“捨て子の収容施設”という名の売春・人体実験施設に収容されていた。


「……お前を使おう。いや、“使わせてやる”」


レイジの言葉に、ミラは涙を浮かべながら膝をつく。


「はい、レイジ様……命も、身体も、すべて捧げます……」


この瞬間、“最初の影”が誕生した。



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◆次回予告:第2話「堕ちた聖女と快楽の契約」


この世界の腐敗は、教会にも及んでいた。

聖女と呼ばれた少女が、快楽の檻に堕ちる時――“忠誠”の意味が変わる。

レイジの影がまた一人、夜に咲く。


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