第12話 アメリカNo.1の大金持ち

年が明けた。


1877年。ニューヨーク。





息子モルガン「あけましておめでとう」


秘書「今年も宜しくお願いします」


息子モルガン「君も知っての通り、僕はすごい男だ。今年はさらにパワーアップするよ」


秘書「勉強させてもらいます」


息子モルガン「何でも聞きたまえ」


秘書「じゃあ、今年の抱負は?」


息子モルガン「アメリカNo.1の富豪になる!」


秘書「無理ですよ~」


息子モルガン「いや、必ずアメリカ屈指の富豪になってみせる」


秘書「屈指…。今さりげなく妥協しましたよね?」


息子モルガン「バレた?」


秘書「バレますよ」


息子モルガン「世の中、妥協のひとつやふたつ、できないとね」


秘書「開き直りましたね」


息子モルガン「そうでなければ、生き残っていけないよ」


秘書「でも、どうしたらアメリカ屈指の富豪になれるんですか?」


息子モルガン「その前にひとつ質問」


秘書「はい」


息子モルガン「現在、アメリカで一番の大金持ちは誰?」


秘書「いろいろな見方がありますが、バンダビルト一族でしょうか」


息子モルガン「その通り。というわけで、彼らの財産をそっくりいただくとしよう」

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