新説・宇宙冒険活劇『グラビティ・サーガ』

資料：『グラビティ・サーガ』キーワードリスト

• 宇宙＝玉ねぎ（スイカの皮）論

宇宙は単一の球体ではなく、ビッグバンを繰り返す多層構造になっているという大輔の仮説。我々の宇宙は、玉ねぎの皮の一層のような存在であり、この構造がハッブル定数の偏りや、宇宙の加速膨張を説明する根幹理論となる。

• 反重力（拡張する力）

重力が原子を内側に引き締める「収縮する力」であるのに対し、反重力は原子や分子の結びつきを緩め、引き離そうとする「拡張する力」。この性質により、物体の透明化、軟化、分解といった、単なる浮遊とは異なる多様な現象を引き起こす。

• 真の円周率（螺旋の円周率）

宇宙が加速膨張しているため、動的な宇宙における円周は厳密には螺旋軌道を描く。この「ズレ」を考慮した円周率こそが、反重力技術の安定化や、真空エネルギーを制御するための究極の鍵（マスターキー）である。

• タキオンの深淵（時空の地下）

光速を超えた粒子「タキオン」が存在する、我々の時空の「内側」にある異次元空間。時空のショートカットが可能であり、アルゴー号はGEEドライブによってこの深淵に微小なトンネルを掘ることで、超光速航行（ワープ）を実現する。

• ハチソン効果

発明家ジョン・ハチソンが偶然記録した、物体の浮遊や融合、分解といった一連の超常現象。物語序盤で、大輔とレイナが反重力の未知の性質に気づく重要なきっかけとなった、禁断の映像記録。

• ニュートリノの海（エーテル）

宇宙空間は「真空」ではなく、観測が困難なニュートリノで満たされているという大輔の仮説。このニュートリノの海が情報の伝達媒体（エーテル）として機能しており、超光速通信の理論的基盤となった。

• GEEドライブ（三軸合力推進）

反重力を利用した革命的な推進装置（Gravity Effect Engine）。X,Y,Zの三軸に配置し、それぞれの推力を合成することで、見かけ上、光速を超える推進力を生み出す。アルゴー号の心臓部。

• アルゴー号 (ARGO)

大輔とレイナ、そして彼らの仲間たちが建造した、人類初の超光速恒星間宇宙船。GEEドライブを搭載し、時空の地下（タキオンの深淵）を航行する能力を持つ。人類の新たな冒険と希望の象徴。

• スフィア・リアクター

レイナが秘密裏に建造していた、巨大な球形の反重力実験装置。物語序盤で反重力現象の実証に成功するが、調律者の襲撃によって破壊される。アルゴー号のGEEドライブの原型となった。

• モノポールの檻

古代の訪問者たちが地球の地下に遺した、無限のエネルギー供給施設。正物質宇宙と反物質宇宙、それぞれのN極モノポールを、特殊な螺旋磁場で閉じ込めることで、永久機関として機能している。

• 調律者

人類の歴史を影で管理・支配してきた秘密組織。古代の訪問者たちの意志を曲解し、人類が真理に目覚め、自立することを妨害しようとする。物語を通して、大輔たちの前に立ちはだかる最大の敵対勢力。