愛の三角形
たかshi すご!ホントに告白OKだ!
あおりん リアルにキューピットやん!
「すごいだろお!皆褒めてー!笑」
配信している大樹は、とても楽しそうだ。色々な欲求が埋め尽くされて、多幸感という三文字そのものが笑顔に現れている。その表情は幸福を感じる反面、悲しきかな「人間の欲望」の脆さも同居しているのだと、大樹の最期を知っているが故に、僕の胸を締め付ける。
kana 大樹くんの恋も叶うといいね!
nn 応援してる
名無し 俺はまだ信じてないぞ…
紅葉の季節などはあったのか?と思うくらい、急に冬が深まってきた。高校生捜査員二人はというと、近づく聖なる夜に向けての「浮いた話」も特になく、大樹の配信アーカイブをvol1から見返す作業が、ココ数日間ずっと続いている。あの混沌を彷徨う夢の中では見えなかった大樹の顔を、当日の放課後からほぼ毎日の様に見る様になったのは、偶然か必然か。
「この時期に恋人がいないと、こういう配信も逆に楽しく感じるもんだなぁ。不思議」
大樹の配信関連を初めて話した時から、不二田は少し腑に落ちていない感じだったのを思い出した。クリスマスに向けてのパートナーがいないという事実を、冬の寒さが実感させてくるまでは…。でも僕からしてみれば、この人は自分の何倍も女の子と遊べそうだけどな、と思ったりもする。
この日は、数えて第何回目の配信チェックだっただろう。定かではないが、ふと大樹が「有馬記念配信」の予行練習として、初めて競馬の勝ち馬予想をした場面が流れた。
その中で気になるシーンが。彼が予行演習として選んだレースの出走馬に「ボッテーガヴェネタ」という馬がいた。それはイタリアの有名ブランドを少しアレンジした名前らしく、その事実にやけに興奮している大樹がいたのだ。
「イタリアのブランドが名前の由来らしいよ、この馬。そうそう、俺が好きな子とイタリアって実は深く関係してるんだわ…。まぁ、勝つのはこの馬じゃないんだけどね(笑)」
「ストップストップストップ!」
いきなりの停止連呼に、隣の僕は少し心拍数が上がってしまう。
「なんだよ、びっくりしたぁ」
「今の!イタリアとアイリが関係してるって事かもしれないぞ…それこそ三角形のヒントになるかもしれない!」
正直同じ工程に飽きて来ていた僕は、苦手な先生の授業くらいの意気込みで動画を見ていた。ただそんな事は既にどうでも良いらしく、次に進むきっかけを掴んだ相棒のモチベーションは爆上がりだ。
そういえば明日は、僕がケイの家に遊びに行く日である。これはこれは良いタイミングだと言うことで、不二田先生による「アイリについての詮索」という宿題が、翌日の僕に課されることになった。
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