第8話 テニス部
テニスの部活の体験は、ラケットを貸してもらい、先輩方と一緒に、テニスボールを地面に打ち付け、パスをするものでした。
私と先輩二人、先輩四人、などと人数と、人の組み合わせを混ぜてパスし合いました。
パスをしながら、自己紹介をしたり、褒めてもらい、とても楽しかった時間でした。
最初のヴォーミングアップ(ボールの打ち合いですが)が終わると、実際に網を貼り、反対側で先輩にパスをしてもらって、私たちが打つというものでした。
テニスをやったことのない初心者の私は、全然まっすぐにボールを打てませんでした。少しずつ慣れてきた頃には、もう次の練習に移る時間になっていました。
次は、テニスリレーをやりました。ルールは簡単。ラケットでボールを地面に打ちながら、コンが置いてある場所でUターンして、スタート位置に戻り、次の人にボールを地面に打ってパスをする。そんなルールでした。
チームを変えながら、二週くらいやったのでしょうか。テニスリレーをおしまいにして、テニスコートを囲う網(フェンス)にボールを打つ練習です。──そう、壁打ちです。
経験者の子の真似をしたり、先輩に教えてもらったり、コツを教わりながら、壁に打って行きました。
ボールが飛びすぎて先輩の足元に転がる。拾ってくれた先輩が“焦らなくていいよ”と笑った。その声が、やけに優しく響いた、そんな気がした──。
だんだん慣れてくると、つい力が入りすぎて、フェンスの網目にボールがちょうどよく挟まってしまうのですが、ちょっと、あみあみのところにボールを挟めたくなるのは、仕方ないことです。このことは秘密ですよ? わざと狙った、じゃなくて力を入れたのはたまたまですよ?
夢中で、壁にボールを打って行くうちに、部活終了15分前の放送がながれ、私たちは、テニスコートから校舎の昇降口の隣にあるベンチで制服に着替えながら、テニス部も悪くないかもなと思ったのでした。
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