第24話 エスメリアの新しい宝物
私が近づくと、エスメリアの耳がピクリと反応した
顔が私を向くとできる限りの速さでエスメリアが駆け寄ってきた
私に抱きつくと、胸の羽毛に頭を擦り付けて
「クキュウ、クキュウクキュウ」
"どこいってたの、さみしかったの"
そう言っていると、不思議と分かった
私は翼で包み込むと、嘴で優しく撫でる。
力一杯抱きついたまま離れないエスメリアを嘴で優しく持ち上げると、背中に乗せてあげる。
背中から私の首を抱きしめるエスメリア
置いておいた、スアップを四分の一を嘴で掴みあげ、首を捻って背中にいるエスメリアにあげる。
エスメリアはしばらくして、スアップを私の嘴から直接齧り付いた。
「クキュウ」
"おいしいの"
テンション低めにスアップを食べ進めて行き、完食した、
(もっと食べるか?)
「クキュウ、」
"おなかいっぱいなの"
私の背中の上でうつ伏せになると寝息を立て始めた。
私はしかなくてそのままにしておくことにした
それから、私がエスメリアに作ってあげたかったものを、作ることにした
大地に魔力を流すと、頭の中で欲しい宝石を思い浮かべる。シャンパン・トパーズを思い浮かべる
大地から吐き出されるように綺麗なシャンパン・トパーズか成人男性の拳大の大きさで吐き出される。
続けて、ピンクトルマリンとオレンジサファイアが赤子の握りこぶし程の大きさが吐き出された
私はそれに《創造錬金》を発動すると。
できるだけ鮮明にイメージしていく。
お守りの意味も込めて多くの魔力を込めると、宝石たちは、ぐにゃぐにゃと形を変えていくと発光した
光が収まりそこにできていたのは、宝石でできた母熊があった。
全体をシャンパン・トパーズで作り、ピンクトルマリンで背中から肩にかけてグラデーションをかけると、オレンジサファイアが瞳をかたどった。
限りなく本物に近く、毛の1本1本までできており、最後に見たような優しい目付きをして、座り込む体勢の熊のお守りができた。
私はそのお守りを持ち歩けるように頭に余分に飛び出した場所を作り、炎龍の鬣から2本貰うと、それを《創造錬金》で編み込むと、お守りに通し、首からかけられるようにした。
大きさは凡そ5cmほどの大きさで私の魔力と宝石が圧縮するようになっており頑丈にできていた。
我ながらよくできたと思う。
これをエスメリアが起きたら渡してみよう。
不安と期待が混じった気持ちを紛らわすように私はお守りをアイテムボックスに収納して、別の事を始めた
辺りの木を切り倒し、見晴らしのいい場所を広げていく。
川から半円状に広げていき、半径3km程の半円状の見晴らしのいい場所が出来た。
もちろん私とエスメリアの住処となっている場所の柵と一体化した木、神木は切っていない。
神木は川から1km離れた場所に、私たちの住処は川から0.7km程の斜めに行った場所にある。
増水した時のことも対策して置かなければならない。
だが、私はそれを後回しにすると切り開きた土地に新たな果物を植えることにした。
エスメリアは甘いのが好きだから。
私は頭の中で前世でよく食べていた果物を思い描いた。
それはキウイ、
表面は茶色く、産毛のような繊維でおおわれていて、中にはエメラルドのような緑色と黒い小さな種が綺麗に並んだもの。
辺りに支柱となる木がある場所を選んで、
《森の王》を発動し、大地に魔力を流し込むと、しゅるしゅると蔓が地面から伸びあがった
その蔓はまるで意思を持つこのように絡まりながら空に向かって伸び、やがて木々を支柱に巻き付くように育っていく。
節から節へと新たな葉を広げ、太陽に向かって大きなハート型の葉を何枚も広げると、
その葉の影に、小さな蕾がぷっくりと膨らんで行った。
やがて蕾が弾けるように白い花を咲かせ、蜜を溜めたその中心には、次第に果実の芯がされ始める。
花が散ると入れ替わるように丸く小さな実が育ち始め、膨らみ、色を変え、茶色く産毛を纏った果物へと変わっていく。
キウイの房がいくつもぶら下がり、風に揺れていた。
私はそれを一つ嘴でつまむと、もぎ取り、そっと匂いを嗅いだ。
懐かしい香りがした。
エスメリアが気に入ってくれたら嬉しいと思いそれを、爪と嘴で今日に皮をむくとまるまる一つを咀嚼する。
種のプチプチとした食感と果肉から溢れる果汁。
甘く、程よい酸味を感じた。
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