もぐもぐ神、世界を食べ歩く
- ★★★ Excellent!!!
神話の始まりから物語が開かれるのに読み進めるとそこにいるのは「配達員ミレたん」。
世界を創った終末の神が、戦場でおやつを食べたり、支部で「おにく!」と騒いだりする姿にまずギャップで笑わされました。
壮大な世界観なのに、読後に残るのは、かわいい。とお腹が空く。という不思議な感覚です。
戦場を舞台にしても、連盟の支部での日常を見ても、どこを切り取って見ても「食」と「癒し」が軸にあって、ミレたんというキャラクターの存在がすごく強い。
神としての威厳と、子供のような無邪気さが同居していて、ちょっと仕草やセリフにも愛嬌が滲んでいます。
特に印象に残ったのが、「感情を料理に変えて食べる」という設定です。怒りや恐怖がスフレやゼリーになってしまう演出は斬新で、ただのファンタジーではなく「食べ歩き」というタイトルに説得力を与えてました。
全体を通して、重厚な神話とゆるい日常コメディがバランスよく混ざり合っていて、「次はどんな依頼?」「どんな料理?」と自然に続きを読みたくなる仕掛けが効いてます。シリアスに寄りすぎず、かといって軽過ぎもしない。
読んでいて心地よい余韻が残りました。
一言でまとめるなら、
「世界を救う神様の物語」ではなく、「世界を味わう神様の日記」。
そんなユニークさに、すっかり魅了されました。