バック・トゥー・ザ・フローズン
古朗伍
第1話 【烈風忍者】スメラギ
かつて滅びた『アトランティス』は『太古の噴火』によるディメンションエネルギーによって跡形もなく消え去ったと思われていた。
否! 国は滅びていなかった! 別の時空。別の世界――『フロンティア』へ彼らは落ちていたのだ!
そして、その地で新たな時を過ごし始め、『アトランティス』はその文化と技術を『ゴルド王国』に帰順する事で『フロンティア』での存在を確立させた。
そして……アトランティス人である【覇王】シャクラカンは『フロンティア』全土へ戦争を仕掛ける準備を始めた。
水面に映る満月が、路傍に落ちたコインめいて光り輝く。
ついさっきまで激しい夕立に見舞われたゴルド王国首都『アトランティス』では、不気味なほどに静寂だ。
本来ならば、早朝の鶏小屋のめいて騒がしい首都の夜であるが本日だけはザゼン体験の様な静寂でなければならない。
その理由は“あのオカタ”が目を覚ますからだ。
「急げ! 急げ!」
水面の月は走る馬車の車輪によって、二分割されたケーキめいて両断されると静寂の首都を爆走する。
「ウンテンシュ=サン! 急いでくれ! “あのオカタ”の目覚めに遅れたら、俺はカチグミどころか、三途リバーを渡ることになる!」
「オキャク=サン、これが出せる限界でさぁ。それ以上は……ね?」
彼は馬車クランに所属していないフリーのウンテンシュだ。その為、色々とユウズウは効くが、その分カケヒキが繰り広げられる。
「ぬぅ……わかった! 倍のインゴットを出す!」
「ヨロコンデー!」
インゴットは彼らの間で交わされる通貨のことである。オキャクはタイマイを叩く事に決めたらしい。
ウンテンシュはオキャクの提案を受け、マジックサークルをアクティベーション。
おお、なんたるマジックアワー。馬車は夜空を飛んでいるではないか。
「イイゾ! これなら間に合う!」
オキャクは上機嫌に笑う。インゴットよりも“あのオカタ”の機嫌を損ねる事はこの国で何よりもバットステータスだ。
それを回避出来る安堵。そんな彼は彗星じみて迫る黒い影を察知する事が出来なかった。
「アイェェェェ!!?」
フライングアワーの最中、馬車へ突き刺さる様な唐突なアンブッシュ! 座っていた彼は突然の出来事に思わず目を覆った。
「ゴホッ! ゴホッ! ナンダ?! 俺はこれからインストラクションを受けに行くんだぞ! 遅れたらどうしてくれる!?」
「ドーモ」
すると、彼の目の前には一人の“ニンジャ”が座っていた。
「【烈風忍者】スメラギです」
ニンジャは両手を合わせてそう告げると、宿敵めいた視線を彼に向けた。
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