第20話 誓いの儀。
特に何事もなく、余興でもある『誓いの儀』が開始された。
本日の夜会における騎士宣誓公開は、アルトベリ男爵主従のみとなる。つまりはイラーリアとレンツォだけの為に用意された舞台であった。
珍しくはある。催事や配信放送には結構な費用が掛かるので、大抵は数組で行うものだ。
偶々であるもそのせいで注目を浴びてしまい、小市民であるレンツォは柄にもなく緊張している。
段取りとしては平凡なもので、今し方終えた聖堂とした祭壇へ祈りを捧げる『礼拝』を行い、その後に『佩剣』、『宣誓』の儀式を行うというものだ。
『佩剣』では最初に主君より言葉を贈られる。
それは主従の誓いを結ぶか。との問い掛けで、応じて騎士は四つの誓いで返す。
この四つの誓いは普遍的なものであり、主君は騎士の肩を手に持つ剣で叩いた。
その剣は主君の所有物であり、そのまま騎士へと贈られる。これを新たな騎士は三度抜き差しし、剣を捧げる姿勢を取った。
これで、『佩剣』の儀式は終わる。
古くはこの後に主君による祝福の抱擁などが行われ、私人としての騎士叙任は成った。
だが、人類種の歴史は闘争と生存にある。これだけで充分だとは、とても言えなかった。
続く『宣誓』の儀式は歴史的には後付けされたものだ。だが個や我の強い人類種達へは必要な通過儀礼であり、今では伝統としても重んじられている。
この儀式においても主君が先に、自らの言葉で以って騎士へと与えるもの、求めるものを告げる。それは主君としての誓いであり、主への宣誓でもあった。
この時に武具などが騎士へと贈られる事があるが、それは儀礼的なものであり本質ではない。人と人としての関係への誓いにこそ、意味があった。
これを受けた騎士が応えとするのもまた、宣誓である。主君と同じく、自らの言葉で以ってして捧げるもの、求めるものを告げた。
これに互いに同意して、「たとえ死が二人を別つとも」と結ばれる主への誓いを主従二人で捧げる事で『誓いを捧げる』儀式は成った。
超越した理に縛られる契約ではない。互いの心へと捧ぐ誓約だ。公平さ、厳格さにおいては契約に及ぶ力はない。
だが、互いの運命を人の力により結びつけんとする誓約は、時として理よりも強い絆となった。
といったところで、平和な現代の人々にとっては既に儀礼化し、習慣化した催しである。
そこまで肩肘を張る必要もない。
それでもレンツォが緊張を解けないでいるのは、偉い人や強い奴らに注目されているからに過ぎなかった。小市民であるので仕方がない。
比べて、此方を見詰めるイラーリアは泰然としている様にも見えた。普段通りの穏やかな顔付き。
けれども寂しそうには見えないのは、背中が見えていないからか。
それに僅かな寂しさを覚えるのも、付き合いの長さからのものなのだろう。
最初に声を掛けたのは似た者という感慨と共にその孤独な背中が気になったせいだった。
たまたま読みたかった論文を読んでいたので、勇気を出している。
姿勢よく座る背中が寂しそうに見えて、思わず声を掛けていた。
長く伸ばした綺麗な髪を掻き上げる彼女。
続く会話は他愛もなかった。世間話程度のものだ。
だが、話してみれば結構愉快で可愛らしいお嬢さんであったのを、今でも覚えている。
故郷の家族に送り出され、やって来た学園は思っていたものとは少し違った。
目標へ向けて力を付ける為にあるのが学園だ。誰もが確たる目標を胸に、それへと邁進してゆくものだと考えていた。
州兵を志す己と同じ様に将来を見据え、道は違えども同じ様な希望を抱く仲間がいるとも期待していた。
だが入学してみれば、そんな仲間はいない。
彼等の将来は、ある程度が決まってる。決められていて、その為に必要とするものを学ぶ為に学園へと来ていた。
不真面目な訳でも、怠惰な訳でもない。
けれども自分と同じ様に、不確かな未来を己の腕で掴もうという情熱までは感じられなかった。
安全で快適な日々の中で、ささやかな楽しみや小さな刺激で充分に満たされてしまっている。
殻を破る必要がない。必要な事をする。夢を見たままに仮成人、大人への第一歩を踏み出したレンツォ少年と比べ、誰もが現実を見据えた大人であった。
兵とは、そういった銃後の民を護る為にある。
皆、気の良い人達だ。気持ちに折り合いを付けて、それでも。とレンツォは励んだ。
鍛錬にも学問にも打ち込もうと思えた。友人も出来るだろうと予感した。だが、胸の奥に燻る孤独というものは埋まらなかった。
生まれが違う。育ちが違う。目的が異なる。
重なり合う事はあっても、同じ道を歩むではない。
故郷でも感じ続けていた孤独を消化出来ぬまま見つけたのが、あの寂しそうな彼女の背中だった。
後に知ったた話であるが、彼女は評判の良くない少女であった。男爵令嬢で、年明けまでは王都に居て、そこから追い出される様に、逃げ出す様にして故郷へと帰って来たそうである。
貴族とは生まれながらに恵まれていて、強い力を持つモノ達だ。だからこそ畏怖され尊敬される。
ところが彼女の男爵家は名うての貧乏貴族であり、さしたる武名もない。米へ執着する愚か者とさえ陰では囁かれていた。
とはいえ貴族は貴族。
彼女自身が個として傑出した存在であったり、『らしく』競争心が強く苛烈な性格であったのならば、侮りなど受けなかっただろう。
ところが彼女は控えめで穏やかな性格をしている。
武に心得もない。勤勉で学問は出来るものの、身体的にはごく普通の少女であった。
それでは、市井の者達と何も変わらない。
貴族は強いからこそ貴族なのである。恐ろしく、畏怖されるからこその貴族であった。
後に思い返してみれば、彼女もまた生まれが違い、育ちが違った。目的までもは知らずとも、懸命に勉学に励む姿には強い執着が感じられた。
そこに当時のレンツォ少年は似た者同士という親近感を抱いたのかもしれない。
話してみれば穏やかでいて、芯の強いお嬢さんである。居心地は悪くなかった。
結構愉快な面もあり、本当になんとなく、何気なく気の置けない女友達となるのにも、そう時間も要さなかった。
——まさか、こいつの騎士になるとはね。
彼女が貴族である事も、騎士制度という習慣がある事も知っていた。ただ、そうなる事はないだろうと意識の外へ追い出していた事でもあった。
冒険者としてやってきて、それなりの生活が送れている。彼女ともそれなりに親しくしてはいた。
そして、佳い女だとレンツォは思っている。
穏やかだがしっかり者で、料理も美味い。世話焼きで家事全般に嗜みがあって、教養だってあった。
色気は足りないと常々思っていたのだが、こうして着飾っていれば、妙な色気もある。
美人を見慣れた男としても、可愛らしい。だけでなく、美しい。と素直な賞賛の気持ちが湧き上がる。
客観的に見るならば、優良物件であった。そんな女を世の男どもは放っておくのだろうか。
レンツォにはとても、そうだとは思えなかった。
確かに彼女は傷物と呼ばれ侮られる、婚約破棄をされた令嬢だ。
名を重んじる貴族からの縁談話は減るだろう。
しがない下位貴族の娘。後添いにとの声や、妾や夫人にと望む声もあるのだろう。これらは実際にあった事だ。彼女達はお断りしていたが。
だが、結婚や恋愛の相手は貴族だからといって、必ずしも貴族としなくてはならない訳ではない。元婚約者殿だって、貴族ではなかった。
庶民の中には根の葉もない噂話などには踊らされず彼女を望む者もいるであろうし、醜聞なんぞと彼女自身を見て、想いを寄せる貴族だっている筈だ。
彼女を望む者は決して少なくないし、彼女もまた真実の愛というものに憧れのある節がある。
そんな彼女の想いであるならば、叶えさせてあげたいではないか。そう思ったのはいつからか。
残念ながら彼女自身に己の身を護る牙はない。暴力や脅威に対し、抗う術は心しかなかった。
学園生時代から彼女に対し、欲望を抱く下衆は少なくなかった。醜聞に尾鰭がついていれば与し易く、軽い女だとでも考えたのだろう。
そういった輩には丁寧に『理解』して貰っていた。穏やかな彼女をあまり下卑た視線に晒させたくなかったが為に。
中には良い男達もいて、お節介などを焼いてみた事もある。交際までには至らなかった様だが、多少の息抜きにはなったのだろうと思いたい。
彼女は幸せになるべきだと、レンツォは想う。
いわれなき中傷に晒されて、それでも毅然として胸を張り夢を追う彼女であるからこそ、応援したい。
そんな想いを抱え、友人という曖昧な関係のまま十年間見守ってきた彼女だ。
その関係に今日、騎士と主君という新たなる形が与えられる。奇妙な感慨が湧かぬ筈もなかった。
軽い口約束である、三十までにお互いに相手がなければ結婚をしよう。というものは、否定するには魅力的であり、肯定するには気恥ずかしさもあった。
だが先は長い事もあり、悪くはないと受け入れた口約束でもあった。なんだかんだで独身貴族もあまり良い目では見られない。保険として、支えとなるのも悪くはなかった。
実の所、レンツォとしてはもっと早くにイラーリアは良い人でも見つけるものだと思っていた。
そうすれば自分はお役御免で、時たま美味い米でも食べて懐かしんでいれば良いかな程度で。
農家の三男坊であり、根無草の冒険者。釣り合う筈もない。
鉄位階という一社会人として認められた存在であろうとも、やはり貴族のご令嬢相手は畏れ多いものである。三十までは結婚する気もなかった事もあり、虫除けのつもりで受けたに過ぎなかった。
そうこうしている内に日は経って、男爵は健康不安を理由に隠居を決意した。
慢性的な腰痛に悩まされている男爵だったが矍鑠としていて、周囲は当然諌めた。老いたというにはまだ早い。
だが、酒に酔った挙句に温泉で溺れ掛けた事が余程にショックである様で、「儂ももう長くはない」などと頑固であった。それ以来、酒を控えていた。
とは言いつつも、レンツォ達周囲の者は気付いている。ちゃんとした後継を立てて隠居をすれば、社交や公式行事に参加する必要がない。
稲作に打ち込みたい男爵は、これ幸いと面倒事を娘へ押し付けただけである。これを賢いイラーリアと奥方は承認していた。
米狂いの男爵がどれだけ社交に精出したとしても、碌なパトロンや協力者など集まらないからだ。
イラーリアももう二十五であるので社交に出ていて問題はない。というよりも、大抵の貴族家の子女は十二から出ているものだ。彼女の場合、単に婚約破棄の後に十年の空白期間があるだけだった。
家によっては親が許さぬ事もあるのだが、社交は淑女の嗜みでもあった。
そこで問題となるのが貴人へと課せられた婚姻への不利である。イラーリアはただでさえ社交に長く出ていない。保険は必要だった。
口約束といえ、妥協といえど約束は約束だ。
レンツォとて、入念な準備が必要だとは理解している。言うなれば、畑の畝を作る様なものである。
そういった諸事の大切さを知るのは農家の三男坊であるからか。
レンツォにとって、目的達成の為にあるこういった丹念な準備も当然の行いであった。
演奏が止まった。
この先は『佩剣』の儀。そして『宣誓』の儀へと続く。余計な物男は何一つ必要ない。
イラーリアは剣を持ち、誘いの言葉を紡いだ。
返すのは四つの誓い。
肩を叩く剣の重みの後に、捧げ渡された剣を取る。
納刀。
涼しげな顔をして、ゆっくりと。
神聖な儀式だ。それも注目されている。無様を晒す訳にはいかない。
抜剣。
実はこの時、レンツォの脳内にあるのは敬虔なものではなかった。その脳内を占めるのは、この後に始まる『宣誓』での言葉。唱え上げる宣誓文だ。
納刀。
頭に叩き込んでいる。何日も掛けて覚えたものだ。
イラーリアによる宣誓文だって、前以て確認していた。騎士の宣誓は主君への返礼でもあった。そういった事に遺漏があれば、恥となるものである。
抜剣。
なので思うのは、この間に心を落ち着けて、格好良い感じで終わらせる事ばかりであった。計らずとも注目されてしまっている。図体には似合わず小心な所のあるレンツォに、それは耐え難き拷問だった。
納刀。
もう一度抜剣し、剣を捧げる姿勢を取った。
この後に主君からの誓いを賜り、それへと返答することで、『宣誓の儀』は成った。
その後には新入りへのイビリの様な模擬【決闘】などが行われるのだが、そこはそれ。
今日は文化人達も多く来ている。なんとか有耶無耶に出来る筈である。連日の不幸に見舞われたレンツォに世間の皆様は同情的なのだ。そっとしておいてくれるに違いなかった。
そう期待して、イラーリアによる誓いの言葉を待つ。彼女は桜色の唇を開いた。
「もーっ。そんなに肩肘張らないでくださいなー。らしくありませんねー」
段取りとは異なる言葉。聴き慣れた声。つい見上げてしまう。
そこにはいつもと変わりなく、穏やかな笑みを浮かべるイラーリア。
「どうせレンツォさんの事ですから、立場とか役目とか気にして格好付けてらっしゃるのでしょうが、そんなに堅苦しくしなくても大丈夫ですよー」
——あ、やべっ。
内心で声が漏れた。
普段通りのイラーリア。変わらず少しだけ間延びした、のんびりとした顔と声。
緊張が抜けてゆく。同時に、背負ったと思っていた他の何かも。
「そりゃ、夢とか目標ですから応援しますけど、別に私にはそんなものなんて要りませんしー。お好きな様に、お好きな事をなさっていて下さいなー」
少々騒つく気配や囁き声を感じる。厳かな儀式に対し、あまりにもらしくない宣誓の言葉に、戸惑いを覚える者もいる様だった。
だがレンツォにとってそれは大事なモノではない。
コレを離してなるものかと気持ちを強く持つ。
「無茶をしないでとは言いません。貴方は貴方の想うがままに、やりたい事をやりたい様にしていてくださいな。お腹を空かせてお家に帰っても、安心ですよ。卵焼きくらいはすぐに用意して差し上げます。何せ、いつだって私がおりますのでー」
ニコニコと微笑む彼女。いつも通りで普段と何も変わらない、穏やかな陽だまり。
参った。抜けちまったよ。なら——。
レンツォが先程から最も離したくないと縋っていたものは、書き上げて頭へ叩き込んだ宣誓文である。
あんまりなイラーリアの態度にそれが吹っ飛んだ。
大意は掴んでいる。だが、場に相応しい厳かな言葉遣いや、格好良い感じの言い回しなんかは吹き飛んでしまっていた。第一、こんな砕けた言葉へ厳かに返していたら様にならない。
それに、そんなものなどよりも、強い想いが胸を占めていた。
誓いを返さねばならない。
せめて、彼女に恥じる事のない言葉で。今の自分の精一杯の気持ちを込めて。
覚悟を決めたレンツォが唇を開き掛けた時、数発の銃声が鳴り響いた。
連続した鋭い音に遅れ、大きく重く響く音。
消えるは光。天井から吊り下げられていた幾つもの豪奢な照明が堕とされて、灯火が落ちたのだ。
その認識と共に、上がるのは幾つかの悲鳴。
「騒ぐな! 大人しくしていろ!」
場を制さんと響く声。同時に数発の銃声が奏でられた。その源は、あの楽団。
王都より志願してやって来た、三十名で編成された室内楽団であった。
その端で、彼らの紹介と仲介に走った男爵が呆然としている姿が見えた。
楽団である彼等が構えているのは楽器でない。火器である。自動小銃に対物ライフル。噴進砲に誘導式飛翔弾砲まであった。
戦場の、武器である。そのどれもが敵を効率的に破壊し、殺す為の兵器であった。
「我々は『ビタロサ統一戦線』。ネーピ侯爵。アルティエリ卿へ頼みがあって参った」
聞いた名は、そこそこ知られたものだった。
悪名の方で。
ビタロサ統一戦線は政治的主張を暴力によって行う反社会組織の一つである。いつかの『熱き風の団』と似た様なものだった。
「何。そう大した要求ではない。ちょっとした資金援助をして頂きたいだけさ」
喋っているこの男、楽団の指揮者であった。この反社集団における首領格でもあるのだろう。自動小銃を構え、堂々としている。
この反社であるが、王都では結構恐れられている。無差別だし武装が充実しているので。
この組織の後援には各国の複合軍需産業や大手企業が付いている。武器は儲かる商材であるし、一面においては内乱や戦争もとても儲かる。
彼等の存在は儲かる環境を整えようとする、企業努力の賜だった。
そんな彼等が王都ロウムにて活動するのは『神聖障壁』が敷かれているからだ。この人造の『異界常識』。権能は術式の無効化であった。
より正確な言葉を用いるならば特定範囲内における、世界へと満ちる術力への干渉不可である。
これにより、通常の術式行使は無効化された。体内術力を消費しての術式行使ならば可能だが、それは生命力を消費し、魂を削る行為であった。
効率的にも効能的にも割に合わないと避けられる方法であるし、本能的にも忌避される愚行である。余程傑出した者ならばともかくとして、『神聖城壁』内部で術式が行使される事はない。
「紳士淑女諸君もまた、大人しくしていてくれたまえ。痛い目は見たくないだろう?」
禍々しい銃火器を手に、自信満々に笑う指揮者であった。彼の保有する戦力は完全武装の一個小隊に匹敵する。その自信も頷けよう。
——それが、王都なら。
術式が無効化される王都では、火器は強大な手札である。力無き者達が強き者達へ抗う牙として、歴史により研磨されてきたのが武器だった。
鍛錬や術式に拠らず、強大な力を行使可能な化学と技術の結晶は、自由と平等の象徴でもある。
人体は脆い。余程鍛えていなければ、銃弾の一発でさえ致命傷となりかねない。いわんや強力な火器などとなれば、耐える術は稀だった。
この武器が、個人としての力量を一定まで平等とする『神聖障壁』内と噛み合った。だからこそ、装備の充実した彼等は恐れられている。
——だが、此処は何処だ?
レンツォは周囲の様子を伺った。
イラーリアは余裕たっぷりの泰然とした態度である。目立つ位置にいる彼女の頭には、対物ライフルに照準がされている癖に。
ちょっと。というか、大分勘弁して貰いたい。
彼女の強化強度では、そんな破壊力に耐えられはしないのだ。その余裕は信頼にあると察せられた。
彼女はレンツォへ向けて、変わらぬ微笑を湛えているのだから。
あの楽団。紹介した男爵殿は土下座をしている。
さしものレンツォにしても、貴人の土下座を見るのは初めてだった。
と驚いたものだが、よく考えたらアルトベリ男爵はよく奥方や娘へ土下座している。そんなに珍しいものではない。米狂いが貴人という感が薄いだけである。
そんな男爵はトマスと共に米粒を磨いている。酒にするつもりらしい。
見渡せば、騒いでいるのは商人達やあまりアルティエリとも縁のない者達ばかりであった。
だろうな。そうレンツォも考える。
主催であり、今脅迫を受けている筈の侯爵は、かの男爵へと向けて頭を上げてくれと苦笑している。
土下座男爵からは見えないので、声を掛けるか迷っている様だった。
何せ、今は神聖な『誓いの儀』の最中なのだ。余計な言葉は不要である。
必要なのは主従の誓いだけだった。
あのソフィアとジュリアでさえ、大人しいものだった。
首を切り裂く仕草の後に親指を地へ向けるという、殺っちまえのハンドサインで留めている。レンツォへ向けて。
はしたない振る舞いに怒ったアリアのみならず、侯爵夫人達にも囲まれた姉妹は涙目である。当然の報いであった。
一部の参加者、というよりも大凡半数か。まったくもって緊張感がない。表情に強張りがあるのはユウと三馬鹿くらいのものだった。
「ははっ。もしや恐怖で現実逃避か。残念ながらこれは玩具ではない。見ろ」
そんな空気の中で男は笑い、小銃を腰ダメに構えた。絞られる引き金。
瞬く閃光、轟く銃声。かき鳴らされる不協和音。
堕ちていた灯火だったものが撃たれた。
割れる硝子に貴金属。四散した豪奢な元照明器具が残った。
——ああ。これ、ダメなヤツだ。
いつかの感想にも似た想いがレンツォの胸に去来する。ソフィアは意味なく得意げであるし、ジュリアは思いっきり笑いを堪えていた。
侯爵夫人達が揃ってレンツォへ向けて、あの「殺っちまえ」のハンドサインを送っているからである。ついでに奥方や、他のご婦人達もだ。
シシリアの女達にとって、家は大切なものである。愛すべき巣であって、誇りとなる居場所であった。
彼女達にとっての家は砦であり、城でもあった。
その管理を余人に任せるか。そういう場合もないではない。だが、女達にとって夜会は戦場である。
城主が戦場において、城の管理に心を割かぬ事などあるか。まず、ないだろう。
乱暴狼藉を働き、誇りとする平穏を脅かす者達へと向ける感情が、安らかなものであろうか。敵対する者達を赦すであろうか。やはり、ないだろう。
だが今は、神聖なる『誓いの儀』の最中である。
言葉は憚られた。不調法な振る舞いだって、慎まなければならない。故に、彼女達は我慢をしていた。
正直に言えば、レンツォだって苛立っている。
別に意外でもないのかもしれないが、彼にだってこういった催しへの憧れはあった。
今でこそ良い大人という自覚はあるが、『英雄』を夢見て、『兵』に憧れて、『冒険者』の誇りで飯を食べている男だ。浪漫を好んでいる。当然ながら、物語に語られる『騎士』にだって敬意があった。格好いいなとも思っていた。
荘厳な儀式の中で、騎士として認められる。
そんな自分の可能性など夢見た事さえもない。なのに、巡り合ってしまった。浮かれぬ筈もなかった。
苦手な詩作にも似た宣誓文だって、先生達に協力して貰い、頑張って仕上げた。
『誓いの儀』での立ち居振る舞いや動き方だって、かなり練習していたものだ。
その上、本物の騎士達の力を知って、その仲間として認められる事にも喜びがあった。彼等にも期待されていた。
男にとって、騎士叙任は一世一代の晴れ舞台でもあるからだ。力や能力だけで、選ばれる事はない。本当に信頼されて、共に歩もうと望まれてこそ、認められるのが騎士だった。
そして、騎士とは一人で成れる者ではない。必ずしや主君がいる。背負うのだ。人を。彼女を。
「えーと。あのですねー」
呆れ顔をして、再び口を開いたイラーリア。
今この場にて、言葉を赦された者はたった二人しかいない。だからこそ侯爵でさえ、一言も発していないのである。
それを、無粋者により台無しにされている。
この儀式、男にとって、レンツォにとっての晴れ舞台なだけではない。イラーリアにとっても、一世一代の晴れ舞台なのだ。
彼女は小説や絵物語もけっこう読む。英雄譚や騎士物語なんかも結構あって、多少なりとも憧れがないとは思えなかった。だからこそ、彼女にとっても。
貧乏男爵に、何人もの騎士を抱える余裕がある筈もなかった。彼女にとっては貴族として、二度あるかも判らない晴れ舞台なのである。
そして、下知を待つ。
『誓いの儀』こそ終わっていないが、主従は結ばれた。ならば、やる事など一つしかない。
「まさか、こんな台詞を言う事になる日が来るとは思いませんでしたけどー。レンツォさん、平和のためですよー。やっておしまいなさいなー。あ、生捕りでお願いしますね」
どこかの番組で聴いた様な台詞である。締まらないが、それが良い。彼女らしい命令だ。だが悪くない。
「
気取って言ってやれば、効果は覿面だ。彼女は赤面し俯いてしまった。レンツォは剣を捧げた姿勢のままに、立ち位置を変える。
イラーリアへ照準された僅かな光の軌跡の上へと。
またもや瞬くのは閃光だった。
——あー。ここで引き金を引いちまうのか。やれると思ったか? それともビビッたか? だが、どちらにせよ、それは悪手だぜ。
高速により貫通力のある弾丸が迫る。音はまだだ。
ここは王都ではない。
剣を振る。イラーリアから下げ渡された大剣を。
その腹でぶっ叩く様に。
硬さと重さ、そして速度の調和により徹甲弾は貫通力に優れる。
だが、この新品の剣の方が硬くて重いし、レンツォによる
やっと音が追いついた。
「畜生が! てめぇら、人の晴れ舞台を台無しにしやがってよ! お陰で宣誓文が抜けちまったよ!」
騎士の咆哮が響き渡る。火器を手にする楽団は一瞬だが固まった。聴覚は音に反応するものだ。自律的なそれは遮断し難い。そして声という音には、そのものに『力』が宿る。
訓練が甘いのか、それとも実はど素人なのか。
僅かな怯みのその先で、楽団を装った狼藉者達の意識は声の主、レンツォへと集中する。
学園などでも低学年の担当教師なんかにも、「はい。注目」の様に用いられた。
僅かながらも意識を奪う技術だ。その効果は戦闘においては計り知れない。
一塊りである楽団へ突貫し、剣を振る。
鈍器としての重さと硬さで腕を潰す。狙うのは肘から先だ。火器を持たせず、撃たせない為に。
勿論腹でだ。鋭利な刃であっては生捕りの命令を全う出来ないので当然だ。
踏み込みに任せて足を潰す。足指か甲かはその時々だった。ついでとばかりに膝や脛へも蹴りを見舞って潰しておいた。生捕りが命令なので仕方がない事だ。
とはいえ、時間は有限だ。挑発により注目を集めたとして意識の全てを割かせた訳ではない。時間が許せば制圧も簡単ではないだろう。
なので、拳を振るい顎を打つ。脳を震わせ意識を奪う。両手が塞がれば、脚で蹴り上げ顎骨を砕いた。
対人武術に然程の心得がないレンツォでも、素手の喧嘩には多少の覚えがある。どう戦闘力を奪い、戦意を奪えば良いかは知っていた。
弛まず鍛錬も続けており、身体能力では上回る獰猛な霊獣達だって相手にしてきた。碌に鍛えてもいない武器頼りのど素人なぞ、ものの数ではない。
「っ……てぇ。あっちぃ!」
なんて余裕でいたら、背中を撃たれてしまう。
噴進砲による一撃だ。背中が熱く、痛んだ。
噴進砲に用いられる弾丸は銃に比べ、大型で重い。更には高加速、高回転により運動熱量も高く、殺傷能力を高める為に大量の火薬や化学物質が用いられた。
術式を用いず高温の炎を撒き散らす、焼夷弾となっている。
それを、背中に食らった。
「ひっ……」
「やってくれんな。オラアっ!」
腹への一撃。これは八つ当たりも含んだ。感触的には胃を破いたので、相当に痛かろう。だが、こんな程度じゃ人は死にはしないのだ。
「ば、化け物……」
「あんな出鱈目達なんかと一緒にすんじゃねぇ」
顔面への拳。充分に加減をしている。潰れる鼻骨と砕け散る前歯。吹っ飛ぶ男。
レンツォは悔やんでいた。
彼自身は強化をしているので軽い火傷程度では日焼けとも変わらない。だが、衣服は別だ。今纏うのは結構高価な羊毛素材の礼服だ。霊獣ではない、飼育された羊の毛十割の生地が使われている。
特に付与はされていない。高いからである。
結構お高い礼服であるし、そういった服装は特別な日でもなければしないものである。
しかも、アルトベリ買い与えられた品だった。予算の兼ね合いもあって付与は遠慮をし、大切に使うつもりであった。
「一張羅をなぁ」
服は服である。強化などされないので、衝撃なんかが加われば破けるし、素材は羊毛であるから燃えやすい。
破れやほつれだけならば、縫い直せばなんとかなるだろう。だが、火はいけない。
燃えて炭化した服を元に戻すくらいなら、買い直した方がお安いものだ。
「初日にダメにして、どんな顔してりゃイイんだよ俺は……」
しかも、自分で用意した品ではなく用意して貰った物である。これではまるで、道具を大切にしない輩の様ではないか。
実はこの男、結構風評なんかを気にする方だ。『英雄』になりたいなんて思うのだから当然であった。
とまぁ。半数程をのせば、もう話にならない。たいして鍛えもせずに武器に頼って粋がる連中だ。速攻で無力化している。当たり前の話であるが、戦士としては死兵であれど、黒装束達の方が遥かにマシだった。
「戻ったぜ。任務完了だ」
「お疲れ様です」
イラーリアの元へと戻れば特に変わりなく立っていた。なんだかんだでコイツも肝が太いものだと思うレンツォだった。
なんの力もない癖に、暴力への怯えや恐怖がない。あったとしても、そう見せない。あの時もそうであったし、昔からそういうヤツだった。
バカな楽団共はアルティエリの騎士達に拘束されていた。
女性陣は親指を高く掲げる「非常に良い」を意味するハンドサインをしていて、どうやらご満足頂けたようだった。侯爵様だけは申し訳なさそうなお顔付きをされていたものだが。
大概に苦労性だよな。あのおっさんも。
割と失礼な事を考えつつも、優先順位を間違える男ではない。
「あのよ。お前さんには申し訳ないんだが、宣誓文、抜けちまった」
「あの、毎日練習してたというやつですねー」
「聞いてたのかよ。……え? マジで?」
「先生からですけどね。聴いてはおりませんよー。ですから、それは残念です」
聴かれてなかった事に安堵している。流石に恥ずかしい。それに残念と言う以上、努力は認められたという程度には思いたい。
「いやさ。お前さんがあんな宣誓文にするからよ。驚いて抜けちまったよ」
「だって、私達の間で格好付けても仕方ありませんですしー。それに大意は変わってはおりませんよ? 普段通りで良いですよー。私が好きなのは、普段通りのレンツォさんなんですしー」
その通りであった。予めイラーリアによる宣誓文は貰っていた。返礼の宣誓文など即座に創れる文才などないからだ。
大抵の儀式なんかはそうやって
その大意は、先程の言葉と変わらない。
要約してしまえば、「好き勝手になさいな。ちゃんと背中は支えてあげますからね」という、なんとも自由なものである。
ちょっと甘過ぎはしないか。と考えかけたレンツォだったが、やめた。
これまでも、ずっと支えられている。好き勝手やってきて、まだ何者でも自分を信頼してくれている。
ならば、誓わなければならない。改めて、誰もがの前ででも。
「あーまぁ。後悔しても知らねーかんな。俺は俺で好きにやる。お前さんはお前さんで、好き勝手やってくれや。だが、もしも——」
原稿では色んな形で飾ってみたが、本当に誓いたい事は一つだけ。
「君が望む事ならば、何事でも叶えよう。……って、柄じゃねーな。なぁ、イラーリア」
ちょっと格好付けたい気持ちが漏れ掛けたが、本当に柄じゃない。立ち上がり、視線を合わす。
身長の関係から、当然見下ろす形になった。
とても主従の距離感ではない。だが、それで良い。
「俺はお前さんに幸せになって欲しい。好きな事を好きなだけ続けて、毎日を楽しんで過ごして欲しい。その為にゃなんだってしてやるさ。俺がお前さんに望む事ってな、そんな大変な『大冒険』だぜ?」
「あらー。随分とまぁ、ふっかけますのねー。当然ながら、ご協力頂けまして?」
「当たり前だ。あまりでかい口は叩けないが、どんな事にだって死力を尽くすさ」
とはいえレンツォはそこそこ謙虚な男だ。保険だって用意しておく。再び口を開こうとしたその先に、機先を制される。
「あんまり無茶とかして欲しくはないんで、死力までは結構ですよー」
「……あんま、話の腰を折るなよな。まぁ、結果には目を瞑ってもらわんとならん事も多いだろうからな。いつだって、何だって、俺は君の力になるって事さ」
ちょっとあんまりな言葉に、つい怯む。だが、強引に軌道修正を施した。
「あらあらー。随分と情熱ですのねー。レンツォさんらしくもなく」
「まぁ。らしくない事でも、やってやるって気概があるってもんだ」
彼女は判り易く恥ずかしがりながら、軽口と憎まれ口を叩いているのが見え見えだった。顔を真っ赤にしやがって。だが、まだ此方には手数があるぞ。と追撃の準備をしていれば。
「ねぇ。レンツォさん。それは、私の幸せの為になのですかー? ご自身のお幸せはどちらにー?」
「こう言っちゃ、なんだかな。君の幸せは俺の幸せにも重なるものさ。だから負担には感じるなよ。俺はいつだって、何だって君の力になると誓うよ」
絶妙な言葉が返される。これ幸いと、少しでも格好の良さそうな言葉を選んでいた。中々様になっているのでは? などとレンツォは自賛している。
「あらあらー。大胆ですねー。そんな『大冒険』を、誓っちゃいますかー。これは主人として受け入れない訳にはいけませんねー。本当に、誓っちゃいます?」
「ああ。誓うぞ。スィ、ミア・シニョーラ」
予測通りに耳まで真っ赤にした彼女は纏めに入ろうとする。少し気障な言葉選びは、この為の布石であった。
長い付き合いのあるレンツォだ。イラーリアの弱点などお見通しであった。舌戦となったとして、正論勝負に勝ち目はない。なんとなく、言い負かされてしまう。だが、レンツォには起死回生の策がある。
正直に言えば、彼女はまったく男慣れしていない。浮ついた口説き文句じみた物言いに弱かった。
そういった方向で攻める事により、なんとか話題を有耶無耶とし、長いお説教から逃れた事もあるのだ。
幾度かの成功体験から、信頼出来る戦術だった。
「それは、例え死が二人を別つとも?」
案の定、纏めに来やがった。思わず心中にて勝利の凱歌が流れた。止めを刺すのは今だ。そう決断したレンツォは跪き、女主人の手を取った。
「例え、死が二人を別つとも」
唇を手の甲へと落とす。暫しの触れ合いの後、歓声が湧き上がる。
これにて、『誓いの儀』は成った。
立ち上がって見れば、案の定硬直してしまった女主人がいる。だが、心配はいらなかった。
奥方達を始めとする、淑女の皆様が彼女へと群がって来ていた。祝福の為だ。任せておけば心配はない。
そして、レンツォの方にも。
「中々面白い『誓いの儀』。大義であったぞ。皆の者、祝宴だ。たらふく、飲めや謳えや楽しく騒げ!」
男衆達が雪崩れ込む。先頭は当然ながら主催であるアルティエリ・ネーピ侯爵閣下であった。
実にノリの良いおっさんだった。アイツらの親父さんなら当然かと思ってしまう。
「良い戦働きも見せて貰ったぞ。のう、そうは思わぬか皆の衆!」
こうやって、血の気の多い奴らに【決闘】を挑まれない様にと気遣って貰えるのはありがたい。
ありがたいのだが、レンツォにはこの大貴族に対し、大きな疑いを持っている。
「閣下。気付いておりましたよね?」
「な、なんの事だ。儂は何も知らんぞ」
アルティエリ程の大貴族。あの程度の刺客だか何だかの集団の動きを把握出来ていない筈もない。
何を企んでいるのか判っていて、泳がせた。そう考えるのが自然であった。
状況証拠としても、アルティエリの騎士たちにより参加者達の安全が確保されている。随分と落ち着きのある者達が多かったのも、その予測を補強した。
察知していない者もあったが、それは仕方のない事だ。誰もが冷静に状況から把握出来るものでない。
それでも一人たりとも死傷者を出していないのは、見事な手並であった。
そして何よりも、ソフィアが大人しくしていた事が証明だった。あの娘が非道を働きかねない者を放置する筈もない。
ずっと令嬢らしい態度であったのは、対処しようと確約した侯爵殿の尽力であると想像が出来た。
侯爵の心労に頭が下がる。
「このレンツォ、主が認める事ならば、犬馬の労も厭いませんぞ」
敢えて放置しておいたのは何かしらの狙いがあったのかもしれない。
政治的な思惑などは判らぬにせよ、結果的には問題がなかった。ならば深く掘り下げるべきではない。
巻き込まれるのは御免だし、深入りしても面倒なだけである。庶民としては無難にやり過ごし、託した政治家に任せるしかなかった。
「杯は行き渡ったな。新たな騎士の誕生に乾杯」
「「「乾杯」」」
巻き込まれるのは御免だが、結局の所なる様にしかならない。偶に跳ねっ返る者こそあれど、世相は平和を求めている。信じるしかないものなのだ。
それに、レンツォには使命がある。
二日間、酒を断っていた。日が明ければ三日目だ。
酒は好きで、美味いとも思っている。でなければ、飲み歩きなどしない。そこで、夜会であった。
面子の為に貴族の夜会では美酒美食が用意されるものである。財力などの誇示にもなるし、趣味嗜好の方向性も喧伝出来るからだ。
つまりタダ酒、タダ飯だ。それを満喫せぬのは酒好きとして無作法というものである。
好みは別として、高い酒など飲める機会は少ない。
こんな機会は稀である。どうせなら、色々と試したいではないか。それが教養というものだ。
などと、騎士となったばかりのレンツォは意地汚くも考えている。
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