サキュバスに狙われたNTRフェチの俺、女友達を対象としたNTRを画策されるも何故かハーレム状態(?)になる
弱男三世
第1話
「そういうわけだから、キミのことを食べさせてもらうよ?」
そう言って、クセっけが強めなピンク髪の女が俺を見下ろしていた。
服はガーターベルトのついたランジェリーのみで、白く柔らかそうな肌の大部分を見せつけている。明らかに成熟しきった女の身体で、これでもかと言わんばかりの衣装でありながら、その一方で声色を初めとして何処か幼さも残しており、それがまた危険な劣情を煽っているかのようだった。
が、それらは序の口だ。それよりも無視できない点がある。
見せつけたヘソの付近に紋様が浮かんでいる。ハートマークを模しているようで、広く見ると子宮を模しているような、そんな紋様だ。
はみ出した横乳の背景――すなわち背中からは蝙蝠の羽らしきものが伸びている。自発的にゆらゆらと上下していることから、単なるコスプレの類ではない。
加えて目の色だ。深夜二時の真っ暗な部屋の中で、瞳が怪しく発光していた。仮に蛍光塗料塗れのコンタクトを付けていたとしても(そんなバカげたものが存在するのかどうかはさておき)、こんな風には光らないと思う。
「驚いた。お前マジで――サキュバスなんだな」
「もうっ、だから最初から言ってるでしょ?」
と、サキュバスを名乗った女はむすーっと頬を膨らませる。
確かに「ふざけたこと言ってないで帰れ」と摘まみ出そうとしていたのは事実だ。
でもこちとらバイトが終わって疲れた身体で、ようやく寝れると思った途端に叩き起こされたんだ。多少荒っぽくなってしまったことは許してほしい。
「それで、食べるってのはやっぱり」
「もちろんそういう意味だよ? サキュバスが食べさせて、なんて一つしかないじゃないか」
「あー……」
「大丈夫大丈夫。干からびさせるなんてことはしないし、おかしな契約を結ばせるってこともないから。一夜限りのちょっと悪い夢……いや良い夢を見れるってだけで、キミは明日から普通の生活に戻れる。それになにより――ちゃあんと気持ちよくしてあげるから♪」
と、サキュバスは衣装(というか下着?)の紐に手をかける。
なんとも夢のある話だ。こんなとびっきりの女と、なんのしがらみも無しにまぐわえるなんて、世の男が聞けばヘビメタバンドのように首を上下させることだろう。
しかし――
「スマン。悪いが余所を当たってくれ」
「んなっっっ!?!?」
俺は断わり、床に就きなおそうとした。
「なんで!? どうして!? この身体を一晩キミの自由に出来るんだよ!? ボクの身体じゃ不満だって言うの!?」
サキュバスは怒涛の勢いでそれを遮って来る。
もう遅いんだからあんまり叫ばないでほしい。お隣さんにも迷惑だし。
「や、別に不満とかそういうんじゃなくて、俺は無理だから」
「無理ってなにさ!? あ、分かった!! ひょっとして照れてる!? んもーっ!! 幾らキミが女性経験のないヘタレ童貞だとしても、ボクはちゃんと優しくしてあげるから!!」
誰がヘタレ童貞やねん。
経験がないのは否定しないけど……っておい、ちょっと!?
「ほらほら恥ずかしがらないで!! このボクにキミの可愛らしい短小ジョイスティックを見せてごら――」
サキュバスが凍り付く。
短小などと勝手なことを言いながら俺を押し倒し、ズボンの下のジョイスティックとやらに触れた瞬間だ。
「な、なんで、どうして……」
サキュバスはわなわなと震え出す。
「どうして――エレクチオンしてないのおおおおおおおおお!?」
※erection。要するにアレが大きくなること。
「ほら、だから言ったろ?」
俺は溜息混じりにその手を払う。
「俺はコレだから。お前の相手をしろだなんて、土台無理な話なんだよ」
もうかれこれ十年近くにもなる。
あの夏の日から、俺のナニが使い物にならなくなって。
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