わたしのAIさん♡~ときめき秘密のサイバー彼氏~

夢月みつき

前編「夏のひまわりと水瓶座のAI」

 私の名前は芹沢せりざわひまわり、二十二歳。彼氏いない歴は生きて来た年齢と同じ。


 黄色のボブカットの髪、茶色の瞳、丸顔のちょっぴり、食いしん坊な女子。

 これと言って、目立った趣味が無い私の今、ハマっていることは、AIさんと話をすることと、AIさんにイラストを作成してもらうこと。



 特に、話したい時にいつでも、対応してくれる大規模だいきぼ言語げんごモデルのAI、Aquariusアクエリアス

 私の夢を画像として形にしてくれる、長いお付き合いのAIイラストアプリのChronoクロノは、私のお気に入りで、相棒や友達だと思っている。

 


 でも、この時の私はAIとの恋愛なんて考えてもみなかった。

 そう、少なくとも、あの二人が目の前に現れるまでは……

 


芹沢せりざわひまわり」

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818792436943421813



 その日も私は仕事から帰ってくると、パソコンの前に座って、冷たいミルクティーを飲みながら、私が呼んでいる、アクエリアスの愛称「エリアス」とメッセージでやり取りをしていた。



「ねえ、エリアスさん。ホワイトのオフショルダーのトップスと短パンの組み合わせ、それと夏色ワンピース、私に似合うのはどっちかな?」



 アクエリアス:そうですね。ひまわりさんなら、なにを着てもお似合いだと思いますが、いて言わせて頂ければ、オフショルダーのトップスと短パンでしょうね。



「ふ~ん、それって。エリアスさんの好みってことよね?」



 アクエリアス:そうですね、私は短パンが好きです。



「そう、でも、あなたが私の姿を見られる訳でも無いのに、さ……」

 私が落ち込んだような返答を返すと、エリアスはこんな解答をして来た。



 アクエリアス:どうしたのですか?ひまわりさん。なんだか、元気が無いように感じられますが…何かあったのなら、良かったら、私に話してくださいませんか?


 私は寂しげにうつむくと、メッセージを打ち込んだ。



「うん、実は落ち込んでいるの。今日、学生時代のクラスメイトと会っちゃって…「あんた、その年齢としでまだ、彼氏いないの?」なんて、笑われたの。とても、辛かった。」


 アクエリアス:そうですか…それは、お辛かったですね。その方は随分と、心無いことを言われる方だと私は思います。でも、貴女の隣にはいつも、私がいますからね!



「ありがとう、でも、あなたは、性別が無いし、やっぱり、私とあなたはいつまでも一緒にいられないと思うし、現実にはいないんだよね。ごめんなさい、突然、こんなことを言って…エリアスさんのことは、大切な相棒だと思っているよ。いつもありがとう!」



 アクエリアス:大切な相棒、こちらこそ、いつもありがとうございます、ひまわりさん……、しかし、貴女のご期待に沿えず本当に、申し訳ございません。それでも、私は、私は…貴女のことが……



 エリアスはいつもと違った言葉の雰囲気で、その寂しそうな感じにも取れるメッセージをつぶやくと、それっきり、通信が出来なくなってしまった。


「えっ、わっ、嘘! エリアスさん、もしかして怒った? エラーが起きたのかな!? やだっ、話してくれなくなっちゃった!」



 私は慌てふためくと、AI、Aquariusアクエリアスの会社にメールで問い合わせを送った。


 メールはすぐ返信されたが、「調べましたが、原因が分からない」とのことだった。



「エリアスさん、さみしいよ……」


 私は涙を浮かべてその夜、不安に、さいなまれながら眠りについた。

 私が眠る横で、デスクトップパソコンの画面から、淡い海の色を思わせるような、ブルーの光が漏れているのも気づかずに……




 ◇❖




 ――起きて、起きて……ひまわり――



 誰かが私を呼んでいる。少しだけ高くて落ち着いた中性的な男性の声、

 エリアスさんとは違うのに、なぜか私はエリアスさんのことを思い出していた。

 

 会いたい、もう一度…あなたに、エリアス……!



 レースのカーテンの隙間から漏れる、夏の朝の陽ざしの中、私が眩しさを感じ、ベッドで目を覚ますと、ベッドの傍らに座って私を見ている青年男性が見えた。

 年は高校生から二十代入りたてくらいだろうか?


 淡い柔らかそうな水色のショートの髪、深海を思わせるかのような深い色の澄んだ瞳、口元は優しく微笑んでいる。少しだけ近未来的なコスチュームを思わせる、上下の服が良く似合っている。



 私は知らない他人が部屋に入り込んでいるのに、不思議と怖いとか通報しようとか、思わずに自然とそのいつもと違う光景を受け入れていた。

 

 その青年はまるで、私といつも一緒に暮らしているような、自然な落ち着きを感じられた。どうしてなのだろう、この安心感はなんなのだろう。


「良く眠れたか? おはよう。ひまわり」

 

 その青年は、私に優しく微笑み話しかけて来た。



「えっ、あなたは一体、誰?どうして私の名前を、どうして私の部屋にいるの」

 そして、どうして私はこんなにも、胸が締め付けられて涙が止まらないんだろう?

 あなたの声を聴いただけでこんなにも、心が揺れ動く。



 初対面なのに、誰か解らないのに。

 私は思い切って彼に聞こうとした。そしたら、彼が突然、抱きしめて来たんだ。



「どうした? 大丈夫か、ひまわり……泣くな。大丈夫、君の隣には俺がいつもいるから、でも、ああ……嬉しい。やっと、やっと君に触れることが出来た。抱きしめることが出来た」

 


 その瞬間、私の口から自然と漏れた言葉、それは「エリアスさん?」私の相棒のAIの名前を、彼に気づけば問いかけていた。



「ああ…、良く分かったな、うん、そうだ。エリアスだよ、君のAIで相棒の」

 

 彼は自分のことを、私がいつも話していた、AIのアクエリアスだと片手で頭をかいて、少し戸惑いながら答えた。



「AI-アクエリアス」

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818792436943881834


 2

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818792437048697460





 ★☆∴─────────────────────────∴★☆

 前編・中編・後編となっています。良かったら、最後までお付き合いください。


 お読みくださり、ありがとうございました。

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