遠距離恋愛中の彼女と彼氏の久しぶりのデート

ロキ-M

待ち合わせ

「あ!彼氏さんはっけーん。おはようございます!ただいまっ!!」


「おはよう、おかえりなさいって・・もしかして待たせた?」


「気にしないで下さい、私が勝手に早く来ただけですから。」


「待って・・始発の新幹線で帰る話だったから、時間的に今の時間にいる訳ないよね?」


「実は・・昨日、あちらを最終便の新幹線に乗れたんです。」


「え!?」


「彼氏さんは日付変わるまで残業続きって聞いてたので、流石にお泊まりは言いづらくて。だから昨夜は家に帰って、今日は早めに来てました。」


「何時間待ってたの?」


「1時間ですよ。彼氏さんもこうして1時間前に来てくれたじゃないですか。」


「1時間も前から!?寒かったでしょ?」


「はい。だから・・まずはここから温めて下さいね。」


「手、冷たっ!?ちょっと何処で・・え・・」


ギュッ・・


「彼氏さんの手も温かいですが、頬も温かいですね・・」


「・・・彼女さん、人が少ないとはいえ周りの目があるから・・」


「彼氏さん成分が枯渇してるので、私は気にしないですよ?今日が終われば明日からまた離れ離れなんですし、今のうちにしっかり充電させて下さいね・・あら、彼氏さん・・頬がジョリジョリしますね、剃り残しありますよ?」


「それはごめん。とりあえず・・・人目がない所で、ゆっくり充電しない・・かな?俺が手が出しづらいし。」


「仕方ないですね。」


チュッ


「!?」


「彼女を1時間待たせたから、頬にお・し・お・きです。」


「・・・」


「どうしました?」


「嬉しくて。一緒にいる時間だけは自分の気持ちに素直にいたい・・から。」


「私も同じですよ。」


「じゃ、少し早いけど行こうか。お姫様、迷子になってはいけないので手を繋いで頂けないでしょうか?」


「今は迷子になる可能性・・あ・り・ま・す・か?」


「ないけど、俺にも彼女さん成分を充電させて欲しいから。」


「仕方ないですね。今日の装いは合格なので、手繋ぎしてあげますね。」


「ありがとう・・ダメならどうしようってけど、悩んだ甲斐があったよ。」


「私は動きやすい服装にしてみましたが・・どうです?」


「すっごく似合ってるよ。こっちが申し訳ない位だよ。」


「寒いですしそろそろ行きませんか?今日は何処に連れて行って貰えるんですか?」


「前々からの約束もあるから・・」



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